かもめのジョナサン 完成版 (新潮文庫)

  • 新潮社 (2015年6月26日発売)
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感想 : 111
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今の私の心の在り方にぴったりと寄り添ってくれる作品で大変面白く読みました。オシャレな本なので、若い方が読んでもいいけれど、ある程度の人生経験があって、新しい環境で頑張ろうと思っている方にプレゼントするとよいかなと感じました。日経ウーマンで佐々木俊尚さんがお勧めしていたので、読んでみましたよ。

読後、一番初めに感じたのは、後書きを書いていらっしゃる五木寛之さんとまるで同じで「女子が居ない・・」という事でした。捌いた魚の血合いを丁寧に取り除くが如く綺麗に取り除かれているのね。作者は星の王子様を書いたサンテクジュペリと同じく、飛行機乗りなのでpart1の飛行の描写は感動的です。飛行するかもめのフォトも美しい。男のロマンですね。

JK版かもめのジョナサンとか面白そうだけど・・。
ジョナサンが神崎美月でフレッチャーが星宮いちごだと娘ちゃんに説明しよう(やっぱり女子だと色々違っちゃうわ)

佐々木さんは宗教や信仰の理解という事でお勧めしていましたが、私は思考停止の危険性、拘泥することの愚かさを強く感じました。クローン犬の賛否について、娘ちゃんと話し合った時にも感じたのですが、愛の在り方って拘泥る事ではないと思うんですよね。失くしたもの(亡くしたもの)はもう戻って来ないとケリをつける。事実を受け容れて思考のパラダイム転換をし続けないと駄目。ツマラナイこだわりは自殺やストーカー殺人に繋がっていく危険思考だと思う。全く美しくない。「夜と霧」を読んだ時も感じたのですが、どんなに辛くとも精神の自由は自分次第なんだよなー。平坦な人生などない。自分のこころは自分が支えないとなー。

流れのない汚れた沼には狂ったサカナが棲んでいる。

完成版で読めた事を嬉しく思います。五木さんの後書きも2つ読めて得した気分です。

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感想投稿日 : 2018年4月26日
本棚登録日 : 2018年4月26日

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