ドイツ・ライン川中流の小都会、放蕩で身を持ち崩した貧しい音楽家の家に生まれたジャン・クリストフの一代記。
良い本、というより、良き友、いう方がしっくりくる本です。
クリストフは、いやそこまで闘わんでも……と呆れるほど、世の中とぶつかってばかりいます。正直くどいです。世界はこんなにも絶望的に辛い場所なのかと、悲しい気持ちにも。
でも読み進めるにつれ、これは世界の美しさを信じ、また愛していた人が書いた物語なんだとわかってきました。
なんど暗闇に落とされても、光を見出し、立ち上がる。クリストフと世界との新しい巡り会いに、生きることを心から愛し、闘うこと、歩むことをやめないクリストフの姿に、何度も勇気づけられます。
ページをめくる手のひらに、息遣いを感じるすごい物語。読み通すのは結構ハードで時間がかかりますが、いずれまた、読みたくなる気がします。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年2月24日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2021年2月24日
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