2016年5月20日読了。過去に発生したハイジャック事件に関った「座間味くん」に飲み屋で過去の事件を語る大迫警部。座間味くんの思考により事件の思いがけぬ側面が明らかになり・・・。話の内容だけをヒントに表明する「違和感」とその結論には表題作のように猟奇的な色合いを持つものやヒヤリとさせられるものも多く、かつ真相は分かり過ぎないがかといって「ありえねー」というわけでもないフェアなもので、著者の技巧の高さが感じられる。「自殺」とか「事故」で済ませられる実際の事件にも、裏には数々の人間の打算や思惑、愛憎などが絡んでいたのかもしれない・・・が、少ない手がかりで他者が推理する限りは、いくらでも想像を広げる余地があるもの・唯一の真実と言うものは本当にありうるのだろうか?という気もしてくる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ小説
- 感想投稿日 : 2016年5月22日
- 読了日 : 2016年5月20日
- 本棚登録日 : 2016年5月20日
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