極夜行前

著者 :
  • 文藝春秋 (2019年2月15日発売)
4.02
  • (25)
  • (49)
  • (13)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 342
感想 : 38
5

前作「極夜行」は非常な名作でした。
息苦しい明けない夜の中を犬を道連れにさまよう臨場感が最高でした。
コミカルさがブレンドされて思わずくすっとさせる能力まで手に入れて、何処まで行くのか角幡唯介という出来でした。
今回はそんな「極夜行」の準備段階を本にしているのですが、侮るなかれ、本編に負けず劣らず、というか準備の方が死にかけている位すごい。セイウチとの海上チェイスから寒中水泳までありえないエピソードが山盛りです。
そして本編でパートナーとして愛くるしくも凛々しく旅をした、犬橇犬のとの出会いが読めます。
そして何よりも「天測」という方法を身に着ける為に、既に捨てられつつある技術の習得と創意工夫をする姿に胸が熱くなります。
冒険家は文章力重要ですね。どんなにすごい冒険をしても僕らに伝えてくれないと自己満足ですから。現在の冒険家で最高の文章力を持った人だと思います。高野秀行ももっとがんばれ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年3月22日
読了日 : 2019年3月21日
本棚登録日 : 2019年3月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする