下巻の『嵐が丘』の章が読みたくて入手したので、上巻は第1章「小説とは何か」のみ。
モーム先生の「小説とはこうであらねば」論が、現代だと素朴な意見なのかもしれないけれどすっきりと断固としていてよかった。「つまらないところは飛ばしていい」は新鮮。現代はつまらなかったり不快だったりする描写を意図的に重ねる小説があるけれど、モームが生きていたらなんと言っただろうか。
いわゆるアート作品と同じで、現代の小説は居心地が悪かったり気持ち悪かったりをわざと演出するものもある。でも、個人的にはなんといってもおもしろくてページを繰るのがとまらない小説が読みたいのよね。自分の立ち位置を再確認した。
上巻で取り上げられている作品は以下のとおり。
フィールディング:トム・ジョーンズ
オースティン:高慢と偏見
スタンダール:赤と黒
バルザック:ゴリオ爺さん
ディケンズ:デイヴィッド・コパーフィールド
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
文学史/文学思想史
- 感想投稿日 : 2021年1月2日
- 読了日 : 2021年1月2日
- 本棚登録日 : 2021年1月2日
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