南方熊楠/柳田國男/折口信夫/宮本常一 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集14)

  • 河出書房新社 (2015年4月10日発売)
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230824*読了
これもまた文学と言われると、そうなのだろうと思う。
国学者、民俗学者など、日本のことを深く知り、伝えようとと尽力された人たち。

一番、名前も知らなかった宮本常一さんの女性史がおもしろかった。今だって、不平等さというか女性であることの大変さを感じることはあるのに、昔なんてもう…。その時代に生まれなくてよかったと思わずにはいられない。
宮本常一さんは人の話を聴いて、引き出すのがお上手な人なのだと思う。一人ひとりの生涯が浮かび上がってくる。
南方熊楠さんの「神社合祀に関する意見」は昔、神社の統合があったことも知らなかったし、文章がまずすっと入ってこなくて、大変ではあった。ここまで日本の歴史や国土を大切に思える熱い気持ちはすごいと思う。
柳田國男さんは名前は知っていたし、折口信夫さんはこの日本文学全集で知った。
調べて、書くということ。知ったことから想像して書くということ。事実を見たわけでないけれど、こうであろうと決めて、文章にしていく。
そういったことは今の時代もいろんな学者さんだったりがしているわけなのだけれど、改めてこの時代にここまで調べて、文章にまとめていくことのすごさに関心せずにはいられない。
折口信夫さんの「死者の書」は不思議だったなぁ。

文学は小説だけではない。これも文学と繋がっているのだ。人の暮らしと文学は切り離せない。

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感想投稿日 : 2023年8月24日
読了日 : 2023年8月24日
本棚登録日 : 2023年8月24日

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