赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)

  • 光文社 (2007年9月6日発売)
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ナポレオン失脚後のフランスが舞台。
製材職人の息子ジュリヤン・ソレルの野望とこじれた恋愛の物語。

ナポレオンに憧れを抱くジュリヤンは、ラテン語で聖書を暗記するほどの知性により、出世の野望を持っている。僧職につき、レナール家の家庭教師となるが…。
ジュリヤンは果たして本当にレナール夫人を愛しているのか?心の内が多く描かれるが、理解に苦しむ。金持ちを蔑む心からその女を落としたいだけなのか、レナール夫人の純粋な気持ちに対してジュリヤンはよこしまな感情のようで、こじれた恋愛に思える。この頃のフランス貴族は不倫が珍しくなかったようだ。
レナール家を追われ、神学校に入学するが、その中でも孤立するジュリヤン。そんな逆境においても知性を発揮し、認めてくれる人に恵まれ自分の地位を上げていく。

生まれや身分で一生が決まる時代において、軍人(赤)と僧侶(黒)は、実力で将来をつかむ事ができる。
ジュリヤンは、ナポレオン時代に生まれ、軍服を着て戦い、実力出世できたほうが良かったに違いない。僧服をまとっていても神を信じる姿勢は感じられない。
レナール夫人とはどうなるのか?
その後、ジュリヤンの人生はどのようになっていくのか?
下巻が楽しみだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年5月18日
読了日 : 2023年5月17日
本棚登録日 : 2023年5月17日

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