ガリア戦役6年目から8年目にかけてのガリア民族との戦いがこの章の内容です。
紀元前53年にパルティアに総司令官として遠征したクラッススが敗北し、殺されます。三頭政治の一翼を占めていた彼の死に元老院派は、大きくなるカエサルの存在を恐れます。庶民派として人気のあったクロディウスが元老院派のミロの一派に殺される事件もあり、表舞台にポンペイウスを引っ張り出し、「一人執政官」として選びます。こうしたローマの政情不穏もある中、カエサルは、7年目にガリア民族の大団結の一大蜂起に遭います。ガリア民族にはまれな強力な指導力を発揮した若き総司令官がいたのでした。そのためカエサルは動きを読まれてしまい、撤退を余儀なくされる絶対絶命の危機に襲われます。しかし、会戦を選んだ敵により結果的に救われます。アレシアというガリア人の信仰を集める聖地に立てこもる作戦を見て、ローマ軍お得意の包囲網建設という土木工事を施します。この辺りは詳細な図説付きで筆者も、…理工系でない私はやれやれと思ってしまう。…と苦笑。全く、カエサルの現場監督ぶりには驚嘆するところです。
こうしてアレシアでもカエサルは完勝し、戦後処理を終えますが、息つく間もなく次に、元老院派との法律と言論を武器にした闘いが待っていたのでした。カエサルは逡巡しながらも、新秩序の樹立を目指し、ローマ人同士の内線を招くことを意味するルビコン川を越えます。賽は投げられた!と叫びながら。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
塩野七生
- 感想投稿日 : 2017年3月20日
- 読了日 : 2017年3月10日
- 本棚登録日 : 2017年3月20日
みんなの感想をみる