2009年8月にNHKスペシャル「日本海軍 400時間の証言」を全3回で放送したものを踏まえた澤地久枝、半藤一利、戸髙一成による鼎談を書籍化したもの。
読んでいて、今の日本の政治や社会を見ていて「今戦争が起こったらこうなるだろうなぁ…」と予想していた事がそのままここで語られていた。
結局、本の中で原因は語られていたが、じゃあ日本人の中で
この原因を踏まえて新たにそうでない方向に持って行ける人がどれだけいるんだろうか?
外部から問題点を突くことは誰でもできて、その解決策を論じることはあまりされてこない。文句言うだけ、理想論を語るだけで終わっちゃうんだよね…
結局この中で語られる事も方向性が一方向というか、じゃあその海軍の中で一方向に統一されちゃったことが原因と言いつつ、この本の中でも同じような考えの人が集まって1人の人が意見言ってウンウンうなづいてる…ほかの意見があったとしても出てこない…違う意見が出たとして深掘りされないのって、どう違うんだろう?と思う。
原因というのが結局海軍の上の方の事情や決定のみで終わっていて、
じゃあその時1人1人の国民はどうすべきだったのか?という事には触れてない。
これって、何かことが起こって「政治が悪い」と言ってる現在と一体何が違うのか。
今戦争が起こったとしてやっぱり結局関係者が決めた事に
文句だけ言って流されていくしかないんじゃないか?
これはちょっと本の感想とはズレるかもしれないけれど
子供たちに自分で考える訓練を、意見を言える能力をとか
言うけれど、自分で考えて反対意見をきっちり言う大人も、
建設的な議論ができる大人も日本で見た事ない。
(人の意見も聞かず、遮って自分の意見ばかりいう人はいるけど)
そう言う模倣すべきモデルがいないのに、やれと言われても
できるわけないんじゃないかな…
- 感想投稿日 : 2023年1月14日
- 読了日 : 2023年1月14日
- 本棚登録日 : 2023年1月14日
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