別冊100分de名著 「日本人」とは何者か? (教養・文化シリーズ)

  • NHK出版 (2015年4月25日発売)
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本棚登録 : 229
感想 : 7
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九鬼周造「『いき』の構造」、折口信夫「死者の書」、河合隼雄「中空構造日本の深層」、鈴木大拙「日本的霊性」を元に彼らを語る内容。
学生時代に『死者の書』だけは読んだが正直良く判らなかった。
こうやって判りやすく解説してくれるのは助かる。
九鬼、折口は彼ら自身の生い立ち、立場が強く影響していることも良く判った。
内容的には河合の、日本では常に三つの選択肢があり、中心は空になっていて他の二つが対立したままや、善と悪に分かれたりしないような構造になっているという話がなるほどと思えた。
日本人の良いところでもあるが、だれも責任を取らぬまま崩壊へ向かう危険性を持っているというのも納得。
この特性を自覚することが大事というのは頷けるが、戦争を経験しても誰も何も自覚していないからまた今のような状況になっているんだろうなと感じた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・文化
感想投稿日 : 2019年11月26日
読了日 : 2015年6月23日
本棚登録日 : 2019年11月20日

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