隠喩としての病い

  • みすず書房
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人が病の人を見るとき、どのような視点で見ているのか、についての考察。彼女の意見によれば、病人が苦しんでいるのは、病気そのものからもたらされる肉体的な苦しみからなのではなくて、「隠喩としての病」、その病気が人びとの中に定着しているイメージのゆえなのだと説明する。19世紀の不治の病であった結核と20世紀の不治の病であった癌の文学や医学書での取り上げられ方を中心に梅毒やコレラなどの病気についても取り上げる。文学を通じて人びとがどのように病気を意識していたのかを考察するという意味では、極めておもしろい取り組みだと思った。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 教育・教養
感想投稿日 : 2006年9月28日
本棚登録日 : 2006年9月28日

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