『スノーグース』『小さな奇蹟』『ルドミーラ』の3作からなる短編集。
「訳者あとがき」にあるように、3作品は主人公の人間と動物の心の交流を描いている点が共通している。
『スノーグース』は1940年に発表され、第二次世界大戦が物語に大きく関わっている。
『小さな奇蹟』はイタリアが舞台となっおり聖フランチェスコが重要な役割を果たしているが、著者のポール・ギャリコがイタリア系アメリカ人であることと無関係ではないかもしれない。
読者の想像や解釈にゆだねられたラストは印象的。
『ルドミーラ』は、やはり聖女のルドミーラと、牝牛と少女の物語。
この作品でもキリスト教的な「奇跡」がテーマとなっている。
なお『スキゾ・エヴァンゲリオン』(太田出版)では、キャラクターデザインの貞本義行氏が、綾波レイのモチーフとして『スノーグース』の主人公の少女からインスピレーションを得たことを語っている。
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- 感想投稿日 : 2022年1月10日
- 本棚登録日 : 2022年1月10日
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