物語は、阪神淡路大震災を経験した教師が東日本大震災の被災地である東北沿岸部の小学校に赴任するところから始まる。
「助けられなかった命」と「助かった命」、「思い出したくない気持ち」と「忘れてほしくない気持ち」。被災地の人びとの、やりきれない心の叫びが聞こえてくるようだった。
それだけではない。主人公が阪神大震災と東日本大震災という、時を隔てたふたつの震災を繋ぐことで、読者は主人公自身が乗り越えてきた過去や終わることのない葛藤をも突きつけられることになる。
ともすれば読むのもツライ一冊になりそうだが、主人公が絵に描いたような熱血教師だから決して暗くなりすぎないという、この絶妙なバランスはさすがです。
……はて、あの教え子からの手紙には何が書いてあったのかなぁ。気になる。
読書状況:読み終わった
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暮らし
- 感想投稿日 : 2015年1月30日
- 読了日 : 2015年1月30日
- 本棚登録日 : 2015年1月30日
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