現代という時代の気質 (ちくま学芸文庫 ホ 19-1)

  • 筑摩書房 (2015年6月10日発売)
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『現代という時代の気質』(ちくま学芸文庫)
原題:The Temper of Our Time.
著者:Eric Hoffer (1902-1983)
訳者:柄谷行人(1941-)

【書誌情報】
シリーズ:ちくま学芸文庫
定価:本体1,000円+税
Cコード:0110
整理番号:ホ-19-1
刊行日: 2015/06/10
判型:文庫判
ページ数:192
ISBN:978-4-480-09679-1
JANコード:9784480096791

大学の教壇に立ちながらも若き日から従事してきた港湾労働を続け、「沖仲仕の哲学者」と呼ばれたホッファーによる、地に足の着いた社会批評集。現代という時代は多くの問題を解決してきたように見える。従属を強いられた国や人々に平等な世界への扉を開き、飢餓や貧困を減らす、といったように。しかし掲げられた目標が望ましいものであった場合でも、急激すぎる変化は大きな副作用を引き起こす。ホッファーの見るところ、それがナチズムでありテロリズムであり、経済至上主義であった。社会や人心を冷静に分析し、世の中と、権力と、しなやかに向き合う方法を、省察の人に学ぶ。
http://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480096791/ 

【簡易目次】
目次 [003]
初出雑誌一覧 [004]
献辞 [005]

序(E・H カリフォルニア州サンフランシスコにて 一九六六年月) 007
I 未成年の時代 013
II オートメーション、余暇、大衆 033
III 黒人変革 059
IV 現代をどう名づけるか 083
V 自然の回復 105
VI 現在についての考察 131

訳注 [149-153]
E・ホッファーについて [155-179]
ちくま学芸文庫版への解説(柄谷行人) [181-184]


【抜き書き】
□p. 48
“〔……〕社会的能力というものは、それが天然資源をいかに効果的に利用するかによってだけでなく、人間資源をどう利用するかによっても測られるからである。〔……〕もし全人口に潜在する才能を目覚めさせ開発しようとするなら、われわれは何が有効、有用、実際的、無駄、などであるかについてもっている概念を改めねばならない。現在までのところこの国では、われわれは時間を浪費するなと警告はされるが、人生を浪費するように育てられているのだ。”

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 110.哲学各論
感想投稿日 : 2018年6月24日
本棚登録日 : 2018年6月24日

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