自分の好きな作家さんたちが、自分の好きな作品について語りあっているなんて、読者にとってしあわせな本。
語り合うのを読んでいると、その物語をまた読みたくなる。
「八王子に行くのが怖くなった(RDG)」なんでだったかな?
印象に残ったところ。
p22荻原
負い切れない力を負ってしまって四苦八苦する主人公というのは、ある意味、誰もが子供から大人になるときに経験していること。自我よりも大きなものを手に入れようとして、足掻くときが必ずある。けれど、それは、みんながやってあることだよ、ということを書いてあるのかもしれない。
p37上橋
寓話はつくらない、自分が語りたい何かのために、器として物語をセッティングする感覚が苦手。
p40-41上橋
子どもの頃にはわからなかった物語、であっても、子どもが読んではいけないわけではない。私は子どもの頃から濫読だったから、そういう本、たくさん読んできましたよ。あるとき、前にはわからなかったことが、ふっと、実感としてわかるようになって、ああ、そうか、経験ってこういうことか、と思ったりね。
p59上橋
もし、自分が本当に辛い状況にあったら、ファンタジーなんか読みたくないって思うのだろうか、と考えてみたんです。(略)ファンタジーというものがもつ、「ほかの世界を想像し、そこに生きてしまえる力」が、独特の助けになるような気がするんです。そこで一生懸命生きて帰ってきたとき、「これしかない」と思っていた今の現実、行き止まりだ、と思っていたところに、別な可能性が見える。
p62上橋
肯定を必死に考えて物語を紡いであるような感覚
63荻原
一言も触れないから伝わることってありますよね。(略)自分とは全く違う生き方や考え方が出てくるお話の中から、自分で受け取って構築するものだと思っていたのね。
- 感想投稿日 : 2022年6月7日
- 読了日 : 2022年6月7日
- 本棚登録日 : 2022年6月7日
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