高慢と偏見 下 (ちくま文庫 お 42-2)

  • 筑摩書房 (2003年8月6日発売)
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本棚登録 : 789
感想 : 71
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数年前、はじめて中野好夫訳(新潮文庫)で読んだときはちょっと退屈した記憶もあるんだけれども、今回、中野康司訳(ちくま文庫)で読んだらすごく読みやすくて、すごくおもしろく感じた。(「高慢と偏見とゾンビ」を読んだ直後に読んだからって可能性もある)。古典だと特にそうかもしれないけど、どうしても最初に読むときは登場人物の関係や話の流れを追うので精いっぱいになってしまい、二度目、三度目になってやっとじっくり心理描写を楽しめるというようなことなのかもしれない。この作品、すごく今の時代に合っているのかも、とも思ったり。「婚活」の話みたいなものだし。それも当人どうしだけでなくて一家、一族を巻き込んでっていうところがおもしろい。恋愛ドラマであり、ホームドラマであり。主人公エリザベスが手紙を何度もじっくり読んだり、ひとりになって、散歩して、考えに考え抜くところがなんだかすごく好き。この時代の時間の流れがここちいいというか、時間をものすごくかけて考えて考えて、それで成長する、っていうところがいいなあ、と。あと、長女ジェーンの落ち着いた穏やかさ、性格のよさにあこがれた。あと、エリザベスの叔母さん、ガーディナー夫人もいい。聡明で押しつけがましくなく、思いやりがあって明るく楽しい、こういう年配者になりたいな。今後、何度読んでも、新しい発見があって新鮮に読めそうな気がする。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2010年2月13日
読了日 : 2010年2月13日
本棚登録日 : 2010年2月13日

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