ノワールの壮大な群像劇。
その根底にあるものは……。
「犬の力」とは……。
アメリカ映画のように「勧善懲悪」ではない。
完璧なヒーローはいない。
完璧な悪役もいない。
悪意や憎悪が集まり、やがて渦を巻いて深く広く覆い尽くす。
「血みどろの悲惨な笑劇」
ウインズロウは「悪人」を描く。
作品によってはコミカルにも、また、悲しくも。
さらに、その影に隠れた本当の悪を。
殺し屋カランの腕の中で瀕死の司祭パラーダが言う
「わしは赦す」
……絶望的に悲しい。
そして、行き着く先は……。
「わが魂を剣から解き放ちたまえ。
わが愛を犬の力から解き放ちたまえ」
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリー小説
- 感想投稿日 : 2023年10月30日
- 読了日 : 2023年10月30日
- 本棚登録日 : 2023年5月4日
みんなの感想をみる