犬の力 下 (角川文庫 ウ 16-5)

  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年8月25日発売)
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本棚登録 : 1194
感想 : 142
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ノワールの壮大な群像劇。
その根底にあるものは……。
「犬の力」とは……。

アメリカ映画のように「勧善懲悪」ではない。
完璧なヒーローはいない。
完璧な悪役もいない。
悪意や憎悪が集まり、やがて渦を巻いて深く広く覆い尽くす。

「血みどろの悲惨な笑劇」

ウインズロウは「悪人」を描く。
作品によってはコミカルにも、また、悲しくも。
さらに、その影に隠れた本当の悪を。

殺し屋カランの腕の中で瀕死の司祭パラーダが言う
「わしは赦す」
……絶望的に悲しい。
そして、行き着く先は……。

「わが魂を剣から解き放ちたまえ。
わが愛を犬の力から解き放ちたまえ」

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリー小説
感想投稿日 : 2023年10月30日
読了日 : 2023年10月30日
本棚登録日 : 2023年5月4日

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