「果てしないばかの行列に、またひとり、ばかが加わった。」
これは終盤でのナレーション文章。
ストリートキッズシリーズの実質的最終章
前回最大のミッションをこなしたあと、ニールは恋人カレンと“すっごい田舎”で身を隠すように暮らしていた。
そこへ義父?グレアムがあらわれて……と、毎度おなじみの始まりから、ニールの冒険が始まる。
始まりの物語『ストリート・キッズ』、次作の『仏陀の鏡への道』では、自分の前にある道に、時には抗い、時には泣く泣く、少年ニールは進む……この迷いが好きだった。
前作『高く孤独な道を行け』では、ハリウッド映画を見るような展開の中、ある意味プロとして仕事をこなしていくニールの成長があった。
それに比べるとこの最終話は、少しスケールが小さくなったよう、うん、どこか吉本新喜劇のようで、みんな「笑いの一芸」を披露しながら登場してくるようで……。
ほんと、主人公とその仲間はもとより、次々に登場する敵役たちの個性がいとおしいほど。
『ホビーZの気怠く優雅な人生』『フランキーマシンの冬』のように“腹の底から面白い”ウィンズロウ&東江節が爆発したお話でした。
ただ……ストリート・キッズではなくなっちゃった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
海外ミステリー小説
- 感想投稿日 : 2022年9月11日
- 読了日 : 2022年9月10日
- 本棚登録日 : 2020年11月29日
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