「三月は深き紅の淵を」のなかに登場する本の中に書かれていた4人の男女の旅の物語。利枝子、彰彦、蒔生、節子の4人は学生時代の同級生。40を目前にして非日常を楽しむ旅に出る。旅の中でお互いに「美しい謎」を語る。それは小さな謎から利枝子の友人「憂理」を巡る謎、それぞれが過去に抱える謎の話。彼らが語る非日常の会話はまるで高校生のようで、その小さな謎を語り合うところでは米沢穂信のゆるい謎のような感じがした。それに疲れてしまった。憂理はあの「麦の穂・・・」を卒業し大学生となり利枝子と知り合う。そして利枝子の恋人であった蒔生が憂理を好きになり、その後姿をけす。4章がそれぞれの語りによる。互いが思っていることと本人が思っている事の微妙なずれ。長い小説だった。複雑に構成されているのはわかるんだけど、美しい謎ときもいいのだけど、これにのめりこむには年を取りすぎているのかもしれない。40前の男女は非日常でもこんな会話はできない。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
「たなぞう」時代
- 感想投稿日 : 2008年7月29日
- 読了日 : 2008年7月29日
- 本棚登録日 : 2008年7月29日
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