敵の名は、宮本武蔵

著者 :
  • KADOKAWA (2017年2月25日発売)
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本棚登録 : 218
感想 : 51
5

宮本武蔵の人物像を敵の視点から浮かび上がらせた連作集ですが、とにかく面白かった。
『バガボンド』読んでないし、10年ぐらい前の海老蔵主演の大河ドラマも見てなかったので、武蔵についてほぼ真っさらな状態で本書に触れたのも良かったのかもしれません。
最後の2編が特に良かったです。有名な巌流島の決戦で締めくくる構成にあえてせず、武蔵が剣術だけでなく絵画も好んでいたという話を物語の中にうまく取り入れたことが本書の成功の鍵になったと思います。

1本目の「有馬喜兵衛の童討ち」からかなり凄惨な描写が続きますが、読後感は不思議と悪くありません。
ラストも意外性があってGOOD。『宇喜多の捨て嫁』も高評価だったし、これなら直木賞獲れるんじゃないかなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 木下昌輝
感想投稿日 : 2017年7月15日
読了日 : 2017年7月15日
本棚登録日 : 2017年7月15日

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