知の操縦法

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  • 平凡社 (2016年11月25日発売)
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感想 : 15

何かを学ぶときには、まず型にはまった知を身に着けること。最初から型破りなことをするのはただのでたらめでしかない。基礎がないところに応用もないし、基礎を抑えていないと間違った方向に進んでしまう。問題意識先行型の学生は着想が良くても、基礎的な学問手続きを踏んでいかないtlその後に伸びていかない。最終的にあh従来の研究になかった型破りな発想をしてほしいが、そのためにはやはり型を知らなければならない。知には必ず先行する学説がある。学問的な用語は全て過去の蓄積に上に成り立っており、その蓄積を無視して独創的なことをやろうとしても、私的な言語、でたらめになってしまう。

権力と百科事典が結びついた例で言えば、ナチスドイツも体型地としての百科事典を最大限に活用した。知的ヘゲモニーを獲得するために一巻本の小百科事典を各家庭に行き渡らせ、これだけ知っておけば立派なドイツ人であるといった知のスタンダードを作った。プロパガンダの天才ゲッペルスは、その小百科事典の枠内で、演説やラジオ放送、国民への指導を行ったのだが、ゲッペルスはこのやり方をソビエトから学んだ。ソビエトは建国と同時に国家プロジェクトとして大百科事典と一般用の小百科事典を制作、西側の資本主義国のじょうしきとは異なる新しい社会主義的な考え方を国民に示した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 佐藤優
感想投稿日 : 2017年3月30日
読了日 : 2017年3月30日
本棚登録日 : 2017年3月30日

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