文庫になってから20年経つが、1992年に元の単行本ができた。もう30年近くの前の本だ。単行本はカバーが宮崎駿の船のイラストで、これがいい。どうせ古本を買うなら、表紙がステキな単行本を選んだ方がいいんじゃないかな。
当時、宮崎駿は「紅の豚」を完成させて、いったんジブリを離れていた時期で、ヒマだったのだろうか。ディズニーと組んで世界征服するのはこの後。話の中に「物の怪」の話があって、その後の宮崎を考えると面白い。
鼎談とはいいながら相手がすごかった、いや、すごすぎた。博覧強記の権化のような司馬遼太郎と、1930年代の上海を知っていて ― これがまずスゴイ ― ヨーロッパで暮らしながら「藤原定家」や「ゴヤ」の伝記を書いた堀田善衛。お話し合いのなかでは、全く勝負にならない小僧っ子として宮崎が聞き役。
司馬遼太郎1990年、堀田善衛1998年、ともに鬼籍に入り、20年が経つ。話題は多岐にわたるが、20年たって振り返ると、実にまともな状況認識だったことに感嘆!
正直、堀田善衛に再入門。さあ、堀田を読むぞ。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
手紙・書簡・対談・論争・日記
- 感想投稿日 : 2019年2月12日
- 読了日 : 2019年2月11日
- 本棚登録日 : 2019年2月11日
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