書物の王国 4 月

  • 国書刊行会 (1999年10月1日発売)
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感想 : 11

今宵の眩い月を見上げながら、我々は月の魔力を実体験する。
夢野久作「月蝕」やはり夢Qはこういった奇々怪々な一人舞台が似合う。
ラヴクラフト「月の魔力」どうしてこんなにも言いようのない恐怖体験を言語化するのが上手いのだろう…すごい…。
『捜神記』より「千宝」夢枕獏先生の陰陽師シリーズで読んだ「嫦娥の瓶」の元ネタってこれか。月とヒキガエル…面白い…。
伊良子清白「月光日光」とても良い……。月光の愛する一の姫と、日光の愛する二の姫…。それぞれの美しさと、それぞれの最後…とても良い…。
グリム兄弟「お月さま」お月さまのかけらの光で、地中より起き上がる死人たち…すごいイメージだ…。
須永朝彦「月光浴」本当に好みすぎる…たいそう珍しい動物の伏線回収がああ…なるほど…。傲慢な王家と美しい商人…≪一角獣の泉≫…。恐ろしくも、甘美でどこか安らかな幻想奇譚…。本当に好きだ…。
メアリー・ルイーザ・モールズワース『かっこう時計』より第12章「月の裏側」久し振りに児童文学でございという雰囲気を味わう。かわいそうなかわいい子どもへの教育と不穏で穏やかで何でもできる大人のメタファー…。それがカッコウってのが、また…。これは早くちゃんと1冊まるごと読みたい。
レーオ・ペルッツ「月が笑う」あまりにも見事としか言えない。流血と怪奇、幻想と狂気をこんなにも冷静に淡々と描いているのが…好きだな…。
宮沢賢治「二十六夜」何度読んでもフクロウに読経させるって発想がなんかもう凄いとしか…流石すぎる賢治先生…。

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感想投稿日 : 2023年10月26日
本棚登録日 : 2023年10月21日

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