はだかの太陽 (ハヤカワ文庫 SF 558)

  • 早川書房
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本棚登録 : 423
感想 : 36
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 ファウンデーション以来の久しぶりのアシモフ作品。単に地球人とロボットの2人(?)の探偵が、別の星の殺人事件を解明すると言うだけの話だが、これが面白い。実はこれは続編で、この2人のペアによる探偵ものは「鋼鉄都市」という作品で実現しているが、それを読もうが読むまいが面白い。

 地球人は非常に忌み嫌われる対象として描かれているが、ロボットは今回は(前作と違ってと言う意味)わき役での登場。なにがおもしろいかというと、アシモフが好きな人は知っていると思うロボット三原則が底辺にあるから
だ。

 「ロボットは人を殺さない」という彼が作ったSF世界の原則の中で、 実は「ロボットは人を殺すことが出来る」というテーマというか可能性を扱ったものといえば、興味をそそられるでしょう?

 さらに殺人事件の真相もかなり面白い。面白いというか、シャーロック・ホームズとは違った面白さ。犯人が解ってそれで物語は終わるかと思うと実はそうではない。最後になって、俗に言うところのどんでん返しが待っている。しかも、翻訳ものに良くあるように、側点を売った表現が正にぴったり来るほどのなるほどと思わせる返し方だ。もっとも殺人の動機はかなり希薄だが、それが許せるくらい。

 タイトルの意味が最後にようやく出てくるラストもきりっとしまっている。うるさいほどの解説付きでその意味が出くる。SFというよりも。ミステリーとしてもっともっと楽しめる作品だ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー
感想投稿日 : 2011年9月16日
読了日 : 1998年7月28日
本棚登録日 : 2011年9月16日

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