複数の作家さんが書いているのだから仕方ないとは思うのだけど、主人公・ヤオのキャラクターが統一されていない。それどころか、ヤオはまったく出てこないまま終わる話もある。ヤオが出てこないというなら、何のための物語なのか。別にここでヤオも捜し物もない何でもない物語を書く必要はないのでは?
江戸に現れたヤオのキャラクターは特にひどい。全編を通じての主役とは思えないほど、変態としか言えないキャラクターになっている。最後の章でそれについて理由をつけているけれど、後付けにしても無理があってひどすぎる。こういう複数の作家さんに同じ人物を書くように依頼するとき、ある程度キャラクターに統一性を持たせるようにはしないのだろうか。
そして。一番気になったのは、最初と最後の章。編著・芦辺拓さんが書かれた部分は、何て言うか…変。「だが、」を連続して使ったり、妙な擬音語を連発していたり、文章が読みにくい。さらに、そういう言葉があるのか、誤植なのかわからないけど、何度見返しても意味がわからない文章がある。
特に冒頭の部分はまったく必要ないと思える。変に時代の流れについて煽って書いたせいで、その後の物語が時代通りに進んでいないことは最初からわかってしまってつまらない。余計な文がなければ最後の章がもっと楽しめたと思う。
この内容だったら、複数人に一話ずつ書かせるのではなく、普通に一人で書いた方がよかったと思う。
読書状況:読み終わった
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作家名 あ行
- 感想投稿日 : 2019年12月8日
- 読了日 : 2019年12月6日
- 本棚登録日 : 2019年12月7日
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