処女作にしてこの内容は、さすが世界の大文豪だと思った。
マカール・ジェーブシキンとワルワーラの貧しい暮らしぶりが痛いほどに伝わってくる。
「たとえどんな寒い日でも、わたしなら外套も着ず、靴もはかないで歩いても、平気です。わたしはなんでも我慢し、辛抱します。わたしは平ちゃらです。どうせわたしは平凡でつまらない人間ですから。でも、世間の人はなんというでしょう?…靴というものは、わたしの名誉と体面を保つために必要なものであって、穴だらけの靴をはいていれば、そのどちらも失ってしまうわけです」
毎日パンを買うだけのほんの少しのお金があればこの2人なら必ず幸せになれるのに…と思うと、彼らの境遇にいたたまれない思いがする。
互いを思いやる気持ちがとても美しい。
他のドストエフスキー作品に比べてかなり読みやすいと思う。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2020年5月27日
- 読了日 : 2007年12月31日
- 本棚登録日 : 2020年5月27日
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