「日本」論 東西の“革命児”から考える

著者 :
  • KADOKAWA (2018年6月22日発売)
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感想 : 4

ルター派と浄土真宗の類似性については「他力」の点で言及される事が多かったが、著者は日蓮宗こそルター派に類似しているという。で、日蓮宗(国柱会)と軍国主義との関係は「八紘一宇」等でお馴染みではあるが、ルター派とヒトラーの関係については勉強不足で知らなかったので、この両宗教と日独におけるファシズム性との類比に興味関心が向くのだが、後者についての説明は殆どなかったのでやや消化不良。宗教学と神学は実証主義の点において仲が悪いと述べているが、宗教学が実証主義的かというとかなり疑問も感じるのだが、この点については思想史研究の課題でもあるだろう。
「思想というのは人を動かさないといけない」には共感するし、「ポストモダンからは何も生まれなかった」というのは宗教者ならではの見解ではあるとは思うのだが、結局人を動かすのは経済ではないのか?という疑念もあり(というか佐藤優はマルクス主義を評価してるんじゃ?)、あらためて思想と経済の関係について問い直してみたいと感じた。(現時点ではマルクスよりもウェーバーの方が説得力はあると思っているが・・・)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年8月23日
読了日 : 2019年8月23日
本棚登録日 : 2019年8月20日

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