嘘のような本当の話からなるエッセイ集。すごいおもしろかった。小説から偶然の要素を「陳腐だ」といって除いたらそれは真実から遠くなってしまう、真実のほうが実は偶然に満ちているのだ。
オースターいわく 「きっと僕は現実の成り立ち方ともいうべきものに心底魅了されているんだと思う。つまり物事が実はどうやって起きているのか。人生の出来事がどのように生じるのか。そしてこれは僕がいつも感じることなんだが、新聞やテレビでは、さらに小説でも、物事の真相がゆがめられているんじゃないか。現実が持っている、不思議で、意外な本質に、本当に向き合ってはいないんじゃないか」(柴田元幸「ナイン・インタビューズ」より)
ストーリーテラーだなと思う。日常の話や自分に起きた過去の話をここまでおもしろくできるなんて。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
エッセイ・対談・インタビュー
- 感想投稿日 : 2010年4月4日
- 読了日 : 2010年4月4日
- 本棚登録日 : 2010年4月4日
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