推理作家の苦悩をシニカルかつユーモアたっぷりに書いた、短編小説集でした。
小説に煮詰まったりすると東野さんもこんな妄想を繰り広げているんだろうかと、とても面白く読ませてもらいました。
こんな突拍子もないこと、あり得ないでしょと一笑して終わるというより、もしかしてこんなことがあったら面白いなと思わせてくれるし、特に最後の短編「超読書機械殺人事件」なんて特別にシニカルでおもしろかった。
作家といえば小説を書いているだけかと思いきや、売れてくるといろいろな賞の選考委員があったり、文庫本のあとがきを書いたり、時には書評を書いたりすることもありますよね。
仕事である以上好き勝手に書いていいわけでなかったり、つまらない作品も読まなきゃいけない。そんな時に代わりに書評を書いてくれる機械があったら…
とっても楽ちんですよね。
売り方も非常に上手いし、業者のビジネスセンスが抜群。
スピード感の速い時代とはいえ、なんでも手軽に、速くとコンパクトになっていく中で、大事なものが抜け落ちてしまったら悲しい。そんなの本末転倒だよね。
寝る前に読むにも適度なサイズのお話ばかりで、非常に楽しめました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
短編集・詩集
- 感想投稿日 : 2016年4月20日
- 読了日 : 2016年4月20日
- 本棚登録日 : 2016年4月20日
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