■とある県庁所在地にひょっこり現れた小ぎれいな紳士、チチコフ。彼は当地の地主たちに渡りをつけ、彼らがかつて所有していた農奴、つまり既に死んでしまってはいるがまだ戸籍が残っている農奴を買い取ろうと申し出る。相手の地主たちからしたら、死んだ農奴は次の国勢調査まで戸籍が抹消されないため人頭税だけはかかる仕組みになっているものだから、ロハでも引き取ってもらえば大いに結構なはず。しかし欲深い地主たちはみな一筋縄ではいかない変人ばかりで……。
■この『死せる魂(上)』ではそんなチチコフと地主たちの埒のあかない商談が繰り返されるだけ。しかしそもそも死んだ農奴の戸籍など手に入れてどうするつもりなのか、そんなチチコフの肝心な目的がさっぱり明らかにされず読者にはイライラが募る。果たして謎の人物チチコフの真意とは? ……中巻に続く。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
外国文学
- 感想投稿日 : 2020年9月10日
- 読了日 : 2020年9月9日
- 本棚登録日 : 2020年9月9日
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