罪と罰〈下〉 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1987年6月9日発売)
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感想 : 416
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すっかり楽しくなって下巻へ

時々名前で混乱するので、前に戻ったりして懐かしんだら…
後半はミステリー本のようにドキドキしてきた

(親しみを込めて)ロージャはかなり屈折しているのだが、思考能力の深さは半端ないので、自分の曲がった信念を貫こうと足掻きつ続け、違う方へ違う方へと行ってしまう
しかし(本書の中でかなりまともで友情深い)良心的なラズミーヒンに助けられたり、ソーニャに出会うことによって影響を受けたり、さまざまな事件に直面して、最後は………
いけすかないんだけど、やはり何故か憎めない
ホント屈折してて疲れるんだけど
不思議
(そして何故か「嫌われる勇気」の青年とかぶってくる…????)

ペテルブルグ(旧ロシア)って暑いのか!?
夏の暑さが随所に出てきた
川のこともなんか気になる
この時代はずいぶん埃っぽいんだ
こういう背景も面白い
セピア色で情景が見えそうだ
当時の社会情勢、思想、生活環境が垣間見れる
そう、描写力が素晴らしいので、景色や温度や匂いまでも感じられる
そして人の息遣いも…
一瞬そこに居る錯覚に陥る
登場人物達の感情が目に見えてくる、触れているような気さえする
自分の妄想の中で、(顔だけはモザイクなんだが(笑))各人の雰囲気や人相、着ている服のイメージまでもが出来上がってしまった
自分の妄想に立ちくらみがするような感覚になる
やはり凄いんだドストエフスキー
ドストエフスキーの正しい読み方ではないかもしれないが…
「罪と罰」の解釈はお偉い方々にお任せすればいいんだし、楽しく読めて良かった
10年後に再読してこの時どう感じるかも楽しみである

次はカラマーゾフに挑戦
一生ドストエフスキーは無理かもと思っていたのだが大丈夫そうなのがとても嬉しい!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年10月20日
読了日 : 2019年9月27日
本棚登録日 : 2019年9月27日

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