自分にとってソンタグの文章を読むのは、己の背筋をきちんと伸ばすことに似ている。それは詭弁や小難しいだけの観念に振り回されることなく、自身の五感から紐解かれる感性に、身体から立ち昇る知性に向き合うということだ。あらゆるものがカテゴライズ化され、分類することで何かをわかった気になった身を猛省したくなる。真っ直ぐに対象を捕え、ごまかしのない文章はこんなにも世界の欺瞞を剥ぎ取り、剥き出しの姿を暴き立てる。ソンタグの言葉には、本当の知性のみが持ちうる色気がある。それは理性が持ちうる美しさといってもいいだろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
評論/研究
- 感想投稿日 : 2014年11月15日
- 読了日 : 2014年11月15日
- 本棚登録日 : 2014年11月15日
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