はてしない物語 (エンデの傑作ファンタジー)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (589ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001109818

感想・レビュー・書評

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  • 『モモ』のミヒャエル・エンデが描く素晴らしき長編ファンタジー。児童文学というジャンル自体がもう僕のツボなんだけど、エンデのそれはやはり大人だって(あるいはだからこそ)感動できる。あー、本当に好きな一冊だ…。

    誰もが知っているように、物語の実効として現実を忘れ去ってしまうというものがあるけど、バスチアンはこれに囚われてしまった。悪いことじゃないが、そこで自分の望みすら無くすのなら話は別だ。物語はアナタを愛しているからこそ、誰かにその愛を渡しに行かなきゃならない。温かいアイゥオーラおばさまの家を出て(ここは何度頬を濡らしたことか…)、バスチアンは本当の望みを手に入れた。これぞまさしく”物語の力”だ。
    この”物語の力”は、バスチアンの現実を変えたように、読者の現実をも変えてくれる。さすらい山の古老が書き続けた物語の始まりが、バスチアンが手に取った瞬間ではなくこの本の始まりだったのがその証拠。物語を受け取った一人一人が現実を変えて、物語を産み出していく(つまり「幼ごころの君」に名付ける)ということ。だからこの話は『はてしない物語』と呼ばれたのだな。

    あー、しかしエンデの名付けセンスはマジで一線を画してるな。「幸いの竜フッフール」「幼ごころの君」「群衆者イグラムール」「色のある死」…。これぞファンタジーという空気がまったくたまらない。
    深海を潜るように本を読んでいたあの頃を思い出させてくれた、素晴らしき傑作でした。本当にオススメです。

  • 望む社会や未来をつくれる状況に立つことは、思い上がって独善的になり、結局のところ孤独に繋がっていく可能性が多分にある。
    良かれと思って為すことが、相手にとって良くない結果になることを常に念頭に、これからの仕事をしていこう。

    現実社会には多様な人が様々な思いで暮らしてきたし、これからも暮らしていく。それぞれが持つ否定したい過去や現実までをも認めよう。

    愛されたい。そう誰もが思うならば、自分からまず愛すことを始めて、愛し合える関係を作っていきたい。

    そういうことを感じました。

  • ミニコメント
    10歳のバスチアンは本を読んでいた――。
    ファンタージエン国は、正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前。その国を救うには、人間界から子どもを連れてくるほかない……。
    映画『ネバーエンディング・ストーリー』の原作となった大長編ファンタジー。 

    桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/104220

  • 超傑作ファンタジーではあるが、フェミニズムを学んでから読み直すと
    名付けの権利や、暴力的になること、父との和解など、非常にホモソーシャルな物語だなぁと感じる

  • 映画ってわりと原作に忠実だったんだな

  • 「10歳のバスチアンは本を読んでいた――ファンタージエン国は,正体不明の〈虚無〉におかされ滅亡寸前.その国を救うには,人間界から子どもを連れてくるほかない…….映画化された大長編ファンタジー.」

  • 面白かった!本の世界に入り込む所が、他の本と違っていて新鮮な感じがした。
    幼心の君は恩人の人間に対して酷い事をするやつだなと思った。
    随所に教訓があるように感じた。また読み返したい本。

  • 今は愛されたかった。
    しかも善悪、美醜、賢愚、そんなものとは関係なく、自分の欠点のすべてをひっくるめて。
    と言うよりむしろ、その欠点のゆえにこそ、あるがままに愛されたかった。

  • 長かった。自分の欲に溺れずに過ごさなきゃなと思った。

  • ミヒャエル・エンデの名作初めて読む。読んだあと、人生観が変わる本。ひとはなぜ苦難に耐えるのか? 他者を愛する能力こそが自分を輝かせ、世界を美しいものにするのだ。能力を使いすぎ傲慢な裸の王様になった主人公、夢やぶれた者廃人たちの都で絶望し、母親がわりの慈しみで癒され、地下労働で救いを見いだし、最後の望みたたれたそのとき、かつての友情に助けられる。女王が名前がない不思議もそこに繋がる。創作好きでもファンタジー嫌いでも楽しめる哲学的な大作。すばらしかった。

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