思い出のマーニー〈下〉 (岩波少年文庫)

  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784001141115

感想・レビュー・書評

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  • <b>ジブリ版との差異検証用の元ネタ下巻</b>
    風車小屋事件が冒頭で描かれた後は、追加の登場人物など趣を変えて謎解き編に続く。
    ジブリ版は、事件と謎解きが同時進行してサスペンスを盛り上げる構成に脚色しているが、元ネタはいたってシンプル。

    ?しめっち屋敷へ引越してくる子供は原作は何と5人兄弟(盛りすぎだなあ)
    ?発見されたマーニーの日記からエドワード関連のページが破り取られているというのはジブリ版のアレンジらしい。
    ?最後の謎解き前に、アンナとおばちゃんの和解はあるが、「おかあさん」とまでは呼ばない。
    ?アンナに盗癖が?
    小銭、マーニーのボートの錨。前者はちょっと生々しく、ジブリ版ではどちらもオミットされている。
    ?ワンタメニーが生き証人の役回りなのだが
    物証的な迫力がなく、いまひとつ伏線になっていない。
    ?結局、風車小屋事件の真相って
    エドワードに克服を迫られていたマーニーは遂にひとりで行くことに

    2階スペースで怖くて?気を失う(風の強さに外に出られなくなる)

    マーニー行方不明の知らせを受けて、村で捜索隊が編成される。

    心当たりのあったエドワードは、いち早く風車小屋でマーニーを発見。ふたりで小屋を出る。

    ばあや、ねえやのネグレクト、ライトないじめが明るみに

    マーニー寄宿学校行きに

    原作では、アニメで印象に残った、風車小屋のマーニーに男性ものの外套がかけられているような描写(妄想、回想ともに)はなし。
    こちらも、米田監督のフェチ的な絵作りと思われる。
    (サイズの大きい男性もののコートで身体を隠してシクシク泣いている女性という画は、そういう連想しか湧きません。勘違いしました。本当にありがとうございました)

  • 養母の元からとある老夫婦の元へ預けられることになったアンナ。
    心を開くことのできる家族も友達もいない。
    そんなある日、不思議な少女、マーニーに出会う。
    みるみる打ち解け、強くひかれ合う二人だったが…。

    スタジオジブリで映画化、『思い出のマーニー』の原作本を読んだ。
    今年は児童書を色々と読んでみたいなと思っていたので、ぴったり。
    児童書…本当にあなどれない。
    海外文学&上下巻の壁にドキドキしつつミーハーな気持ちから読み始めたものの…面白かった!
    ざっくりあらすじのようなものを読んで何となくこういうこと?と考えていたよりももっと深く、切ないお話だった。
    ミステリのようなドキドキ感も味わえるので、先入観をなるべく持たずに読まれる方がおすすめ。
    映画を観る前に読んでしまって失敗したかも…!と若干後悔も。
    映画を観てからこの本を読んだらどんな感想を抱くのか、今となっては味わえない感覚だけにそちらも気になっている。

  • アンナはずっと忘れていたけど、心の奥底ではずっと覚えていた。誰にも愛されていないと思っていたけれど、ちゃんと愛されていた。
    「あたし、知ってたわ。ちゃーんと、知ってたわ!」アンナはもう大丈夫だろうと思う。マーニーを知って、本当の自分を知ったから。
    終わり方が素敵でした。

  • 美しい風景のリトル・オーバートンを舞台に、肉親を亡くし、自らの人生と自らを取り巻く人間関係との折り合いがうまくいっていない主人公の少女が、不思議な体験と、確かな人々との触れ合いを通じて、家族や人とのつながりを感じ、少しずつ成長していくストーリー。 不思議に重くもあり、温かくもある本作の読後感。 アンナとマーニー、プレストン夫妻とのつながり。そして、それをつなぐペグおばさん・おじさんとワンタメニー、リンゼー家の人々。人と人とのつながりそのものが、とても印象に残る本作。 また、折に触れて読み直したい作品です。

  • 孤立から仲間とともに。

    幸せな物語であることは間違いないが、後半はストーリーの落とし込み方に苦労があったのではないか。

    夢想と空想がつながり、そこに過去の現実があった。ワンタメニーがキーパーソンだったなんて。

  • ジブリの映画を前にテレビで見ていて、でもうる覚えだったので本を手にしました。
    子どもの頃、大好きだった児童書のなつかしい感じ。
    児童書といってもあなどれません。すごくいいお話だった。ファンタジーなところもありつつ、人間性や人間愛について深いなぁと思わせるところあり。
    心を閉ざしているアンナがマーニーと出会い、村のペグ夫妻やワンタメニーたちに静かに見守られ、少しずつ自分を取り戻していく。リンゼー一家に出会って、また色々と物語が展開していくわけだけど。最後は圧巻のラスト。そうだったのかぁ!映画を見ていたのに忘れていたので、驚きとうれしさと温かい気持ちでいっぱいになりました。

  • ジョーン・G・ロビンソン作、松野正子訳 「思い出のマーニー(上下)」(2003年版)。

    ロンドンに住んでいるアンナという女の子(悪い子ではないが何事にも積極的ではなく、いろんなことをやろうともしない、少し喘息気味のぱっとしない女の子。孤児で養父母に育てられている。年齢については明確な記述はないのだが、10~12歳くらいの印象)がノーフォークという田舎で過ごした数週間のお話。
    アンナは友達というものが苦手な女の子だが、ノーフォークでマーニーという同年代の女の子と知り合い、互いに惹かれて友だちになる。
    なんやかんやあってマーニーとはわかれるのだが、いつのまにかアンナは消極的ではない普通の女の子になって、マーニーの正体もわかって、養父母のこともより深く理解できるようになって、めでたしめでたし。

    話の流れがいろいろと強引。
    養父母のことも、ストーリー的にはめでたしめでたしにしようとしているのだが、無理やりになっており、あれでアンナが本当に納得できたのかどうか。
    まあちょっと変わってる(かもしれない)女の子が、自分をアンナに見立ててその成長を楽しむ、というお話なのかな。

    前半は面白かった。
    後半~ラストがどうも今ひとつ。
    読後感はもやもや。

    ★2つってところですかねえ。ちょっと残念。

  • 同名のジブリ映画の原作で、初めて読んだのですが、冒頭から感動…。

    孤独な少女アンナが、のどかな地でマーニーやプリシラたち一家と友達になり、成長していくあったかいお話でした。

    映画と違うのは、不思議な現象や家族愛に重点を置いているというわけではなく、あくまで友情に重点を置いているというところでしょうか。
    ただ、先に観た映画の方を好きになりすぎて、後半からあんまり感情移入できなくなったのがちょっと残念です。
    先に読むべきだったかな…。

  • 泣ける。

  • ジブリの映画のやつは以前見たのですが、話の内容をすっかり忘れていたので、楽しめました。そんな曖昧な記憶の中で読んだ身としては、映画は原作とやや異なる部分はあるものの、原作のお話をうまく再現していたな、と思います。上巻ではマーニーって何なんだろう、と不思議に思って読んでいたのですが、下巻ではその答え合わせがされていきます。「なるほど、そういうことか!」と思いました。下巻の方が面白かったです。

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