- Amazon.co.jp ・本 (225ページ)
- / ISBN・EAN: 9784001141115
感想・レビュー・書評
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76
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素朴なお話し。
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感情を表現すること
人と向き合い愛情を受け入れ与えること -
アンナとプリシラたちリンジー一家が仲良くなっていくのは、とても児童文学的優しい世界でさくさく読める。
マーニーの正体はオカルトっぽいけど、全然そんなふうには書かれてなくて、ひたすら優しい魂の交流として書かれているのが、アンナの成長と孤独からの解放をすがすがしく描いていて、素敵だ。 -
物心ついた時から、夕方という時間帯は怖かった。明るくもなければ暗くもなくて、あの薄暗さが不気味で大嫌いだった。緊迫感、焦燥感、迫りくる何かへの言いようのない不安な気持ち。夕方になると、部屋の明かりは必ずつけていないと落ち着かない。
まさかその夕方に、わたしの中で懐かしいという感情が芽生えるなんて、あのころは思いもしなかった。
街がオレンジ色に染まると、気分がどうしようもなく塞ぐ。ただただ悲しくて、気がついたら声も立てずにぼろぼろ涙が溢れてきていることも度々あったし、計り知れない絶望感のようなものが押し寄せてくることもあった。
どうしようもない孤独感、終わりゆく一日を悟っての虚無感、襲いかかる自己嫌悪。そして、毎日がそれの繰り返し。
小学校高学年のころ、この本に出会った。スタジオジブリによって映画化されるとの告知があり、内容がうろ覚えだったので、もう一度読んでおこうと、去年の春ごろに再び手にとった。
まるで目の前に浮かび上がってくるように描かれた情景描写。夕方の海の満ち干が、繊細に美しく書かれていて、その場面だけはあの当時から今でも、くっきりと鮮明に頭の中に焼きついているのだ。
この本を読んで以降、わたしの夕方への感情はガラリと変わった。切なくて寂しくて、それだけが襲いかかってくる夕方。黄金色の夕陽が、目にしみるほど迫ってくる。あまりにも美しすぎて、怖いくらいだった。逢魔時、なんて言葉があるけれど、この時間帯は本当に未知で何か、別の次元に引き込まれ連れ去られてしまうような……そんな不思議な何かがある。
西陽が傾きはじめ、オレンジの光が街に降りそそぐ。そんな時ふと、今やもうない失くしてしまった何かを思い出しては、この夕方のベールのどこかに、わたしの探している場所があるのではないかと思ってしまう。
夕方が怖いのは、もう戻れないことを心のどこかでは知っているから。わたしを待つ人などいないと分かっているから。もう帰れないと気づいているから。そうしてわたしは、そういう大事な感情を消えてゆく夕闇の狭間に置いてけぼりにして、忘れてゆくのだろう。 -
映画を観る前の予習に。
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ジブリ映画を見て、原作を読みたくなったので読んでみた。
映画は舞台を日本に変えて、登場人物も変更されていたので、原作は別物として楽しんで読めた。
映画よりもシビアな人間関係だったが、その分、新しい友情関係に救われた。
導入は暗い印象で、児童文学っぽくなかったが、ハッピーエンドで良かった。 -
前半、なんだか盛り上がりにかけるな〜と思って読み進めていたので、ゆっくりだったのですが、下巻はかなり楽しくなってスピーディーに読めました。