永遠平和のために (岩波文庫 青 625-9)

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  • Amazon.co.jp ・本 (145ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003362594

感想・レビュー・書評

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  • 永遠平和は蜃気楼

    もしカントが今生きていたとしても、きっとまだ同じ事を言ってるんだろうなぁ。
    いつまでこれを言い続けるんだろうなぁ。
    いつまでもこれを言い続けなければいけないんだろうなぁ。

    • スヴィドリ・ガイロフさん
      そういった思いを抱いて、永遠平和を理屈で貫き述べたカントに魅かれる。
      そういった思いを抱いて、永遠平和を理屈で貫き述べたカントに魅かれる。
      2011/12/17
  • 講義の課題として読んだ。
    哲学に関しては素人であるため、内容には触れないレビューとする。

    たいしたページ数ではないとは言え、哲学書独特の言い回しは、やはり初学者の前に高く立ちはだかった。
    しかし、巻末の訳者解説が非常に分かりやすく、理解の助けになった。
    自分のような素人が読む順番としては、本文を分からないながらも一読し、解説を読み、納得した上で再度本文を読むことで、内容まで読み込めるのではないだろうか。

  • 輪読をしようと思って買ったけど思ったような本と違ってがっかり。カント。

  • この人が禁止していることがあらかた二度の大戦でやりつくされているっていう
    国民軍の存在を正当化しているあたりにフランス革命の影響を感じる

  • カント本人が評している通り、哲学者の与太話なんだからいいだろ!的なスタンスで書かれたものではあるが、その内容が現代の国際法の根源をなす考えに与えている影響は大きい。

  • カントはカッコいい

  • ○6つの条項
    1.将来の戦争の種をひそかに保留して締結された平和条項は、決して平和条約とみなされてはならない。
    2.独立しているいかなる国家(小国であろうと、大国であろうと、この場合問題ではない)も、継承、交換、買収、または贈与によって、ほかの国家がこれを取得できるということがあってはならない。
    3.常備軍は、時とともに全廃されなければならない。
    4.国家の対外紛争に関しては、いかなる国債も発行されてはならない。
    5.いかなる国家も、他の国家の体制や統治に、暴力をもって干渉してはならない。
    6.いかなる国家も、他国との戦争において、将来の平和時における相互間の信頼を不可能にしてしまうような行為をしてはならない。たとえば、暗殺者や毒殺者を雇ったり、降伏条約を破ったり、敵国内での裏切りをそそのかしたりすることが、これに当たる。

    ○第1補説
    ・理想的な存在者は、全体としては自分たちを維持するために普遍的な法則を求めているが、しかしひとりびとりはひそかにそれから逃れようとする傾向がある。問題は、そうした理性的な存在者の集まりに秩序を与え、体制を組織することであるが、その秩序とは、たとえ彼らが個人的な心情においては互いに対抗しあっているにしても、そうした心情を互いに抑制し、公の行動の場では、そうした悪い真情をもたなかったのと同じ様な結果を生ずる、といった秩序である。

  • 僕がこの本について何かをここで記すよりも、訳者による少しばかりの「解説」を読んだ方が解りが良いと思うので、ここにはただ、もしかしたら貴方が少しばかりのカントに関して誤解をしているかもしれないので、これを読むことは決して損にはならないだろうということを書くに留めておきましょう。

  • あまりピンとこなかったような気が。

  • 【内容】

    世界の恒久的平和はいかにしてもたらされるべきか。

    カント(1724‐1804)は、常備軍の全廃、諸国家の民主化、国際連合の創設などの具体的提起を行ない、さらに人類の最高善=永遠平和の実現が決して空論にとどまらぬ根拠を明らかにして、人間ひとりひとりに平和への努力を厳粛に義務づける。

    (以上、アマゾンより引用)



    【感想】

    ヘーゲルやエンゲルスが、カントを否定していましたが、そこまでひどい内容だとは思いませんでした。

    むしろヘーゲルとカントは補完関係にあるような気もしました。

    「具体的な示唆」を与えたのがカントで、「抽象的な理論」を与えたのがヘーゲルと云った感じでしょうか。

    カントは政府が存在することで、人間の利己的な心に均衡をもたらす。のようなことを云ってました。これは理解ができます。

    ただ、国際政治の場では、その国家の代表になる人物は、利己的な心を持ち合わせているのでしょうから、「国際政治の場では、道徳的な心を持たねばならない」とするカントの言い方は、少し無理があると思いました。

    また「人間の理性にそぐう体制は共和制。なぜならば、国民の理性の意志を代表する国家であれば、戦争の負担をする直接背負う国民は、そのような大博打にはでない。」とするカントですが、ワイマール共和制からナチズムへ転化した事実を、どう説明するのでしょうか。

    国民は容易にイデオロギーに感化されてしまう存在なのかもしれません。

    ただ逆に言えばカントは、「国民は馬鹿じゃダメだ。(理性を獲得するために)学べ。」と示唆しているのかもしれません。民主主義ですからね。またカントは、商業を奨励しました。「平和でなければ商売はできない。」というのがカントの言い分でしたが、彼は「死の商人」や「帝国主義段階」を予見できなかったのでしょうか。

    そこも理性があれば克服できると考えていたのでしょうか。

    一見当たっているように見えて、よく考えると「?」と思えるところが少なくありませんでした。

    但し、「政治的な道徳家」は存在しない、や、「哲学者に耳をかたむけるべきだ。しかし哲学者が王になってはならない。」といっているところは、言い得て妙であると感じました。

    「自然が人間を平和に仕向ける」というのは、どうなんだろうとも・・・。

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