千利休―無言の前衛 (岩波新書 新赤版 104)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004301042

感想・レビュー・書評

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  • 寄藤文平展の影響。赤瀬川さんの路上観察に見られる独特の気づきがすばらしく、分析も常に的を得ている。
    千利休や秀吉など歴史上の人物が生き生きとよみがえり、今後目にするだろう小説や映画にまで楽しい影響を与えそう。
    前に行った前衛カフェで、余計わからなくなっていた前衛の認識がとれてうれしい。ありがとう、寄藤さん、いや、赤瀬川さん、いや千利休…関わった方々すべてに。

  • 利休についてあんまり書いてないけど、面白い。
    例えと文書が美しい。この一冊で岩波文庫のイメージが変わりました。

  • 利休の事、茶の湯の事などに興味を持ち偶然手にした本
    興味深く、刺激を受けながら読み進む。
    前衛であった利休の茶道...への解釈と
    最後には
    「偶然も無意識もそれは自然が成す事である。それに添って歩く事は、自然に体を預けることだ。他力思想とは、そうやって自分を自然の中に預けて自然大に拡大しながら、人間を超えようとする事ではないかと思う。.....本書から」
    森林と砂漠に生きる人間の違い....とか..とか...

    手元に置いておきたい本

  • 丸い茶室かあ・・・
    でも案外あったんじゃないかと思ってしまう。

  • 赤瀬川原平が日本文化とか茶道とか知らないよ、という素人目線から利休を眺めた作品です。利休をあれこれ調べていたときに読んだのですが、楽しく読めました。勅使河原蒼風監督の千利休映画をあわせてごらんになることをおすすめします。

  • [ 内容 ]
    利休の創出した佗び・寂びとはどのような世界なのか。
    冗舌な権力者・秀吉との確執の中から無言の芸術・縮む芸術を考案し、斬新な発想と柔軟な感性で桃山時代を前衛的に生きた芸術家―映画「利休」のシナリオ執筆を契機に、その精神性を現代の諸相の中に浮上させる。
    ジャンルを超えて活躍する著者が日本文化の秘奥に挑む超エッセイ。

    [ 目次 ]
    序 お茶の入り口
    1 楕円の茶室(利休へのルート 縮小の芸術 楕円の茶室)
    2 利休の足跡(堺から韓国へ 両班村から京都へ)
    3 利休の沈黙(お茶の心 利休の沈黙
    「私が死ぬと茶は廃れる」)
    結び 他力の思想

    [ POP ]


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    [ 参考となる書評 ]

  • 利休の歴史ではなく、利休の生き方の話。
    あかせがわげわぺいのものの見方を垣間見る

  • 茶道は禅の思想を取り入れているからとか
    そんなことは関係なく
    宗教的だと思う。
    家元絶対至上主義なところがあるから。
    なので学んでいるとそういう思想に雁字搦めで
    諸々のことをいいとか悪いとか考えず、
    そういうものなのだと受け止めてしまいがち。

    この本は茶道を経験したことがない筆者が
    映画撮影のために学んだ千利休象を述べた本。
    ゆえに自由な観点で利休についての考えが挙げられていた。
    茶道を学んでいる私にとっては目から鱗な考えがチラチラ載っていて
    大変興味深かったです。

  • 千利休を研究・解説した本ではないので要注意だが、相当面白い本だ。実際、利休についても茶についても直接に記しているページは極めて少ないのだ。ほとんど利休そのものを語らずして、利休の思想について述べてるエッセイである。

  • 千利休にインスパイアされた前衛芸術論。桃山時代の利休の前衛性と現代の著者の前衛性が400年の時を超えて呼応し、芸術、芸道の得体の知れなさが立ち上がる。伝統も大事だが、革新のダイナミズムはもっと大事なのだ。

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著者プロフィール

赤瀬川原平(あかせがわ・げんぺい)
1937年横浜生まれ。画家。作家。路上観察学会会員。武蔵野美術学校中退。前衛芸術家、千円札事件被告、イラストレーターなどを経て、1981年『父が消えた』(尾辻(★正字)克彦の筆名で発表)で第84回芥川賞を受賞。著書に『自分の謎(★正字)』『四角形の歴史』『新解さんの謎(★謎)』『超芸術トマソン』『ゼロ発信』『老人力』『赤瀬川原平の日本美術観察隊』『名画読本〈日本画編〉どう味わうか』。また、山下裕二氏との共著に『日本美術応援団』『日本美術観光団』『京都、オトナの修学旅行』などがある。2014年逝去。

「2022年 『ふしぎなお金』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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