現代社会の理論: 情報化・消費化社会の現在と未来 (岩波新書 新赤版 465)

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  • Amazon.co.jp ・本 (188ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004304654

感想・レビュー・書評

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  • 最後の章の提案については、話が一っとびした感じを受けましたが、
    「資本主義と環境問題が共存できるためには?」
    少し前向きになれるような本。
    また読み返したいなぁ。

  • 「他社会収奪的でなく、自社会収奪的でないような幸福の形式の無限空間への解き放ちとしての<情報化> 07/4/3読了

  • 2006.09 最高でした。情報化が消費者の欲求を永遠のもの(無限サイクルを確立)にし、資本主義が完成の域に!人類の課題は資源の枯渇や環境問題。人類はあらゆる英知を集積させて、乗り越えていかなければならない。

  • 最終章よりもむしろ、その前の章のほうが勉強になった。少し前に書かれたにもかかわらず、出てくる考え方がすごく進んでいて、なるほどだった。

  • 現実問題を冷静に見据えつつ、情報化・消費化社会の未来に新たな展望を見出している。
    私には難しいが、良い本でした。唸る本です。

  • 学校の指定図書で読みました。

    資本主義社会システムの、資源の限界。
    北と南の貧困問題に、地球環境の破壊問題。

    この限界問題の解決に、
    著者は「情報化・消費化社会」を見出す。
    「「情報は無限であり、誰にも収奪されるものではなく、
    誰をも収奪するものではない」」

    この著書はもう10年以上も前のモノ。
    現代はすでに「情報化・消費者社会」といえる。
    だが、それで南北の貧困問題や
    地球環境問題が解決されたかと思えば、されていない。
    むしろ10年前よりもひどくなっているだろう。

    情報化・消費化社会がわたしたちにもたらしたものは
    著書の言う、本当の心の豊かさなどではなく、
    反対に貪欲さ、心の貧しさだろう。
    わたしたちの欲望は無限であるが、その無限を満たしてくれるものなどない。
    それでも欲を捨てられないわたしたち。
    情報化・消費化社会になっても、何も変わりはしない。
    この地球の資源がなくなっても、
    わたしたち人間は、今度は違う星の資源を求めるかもしれない。

  • 分類=経済・社会。96年10月。

  • 日本を代表する社会学者・見田宗介による著書。
    名著です。社会科学を学ぶ人は必読。あと開発・貧困等に興味がある方にとっても必読書でしょう。

    本著では「消費社会」・「情報社会」を緻密に解析し、それを用いて、現代社会のあるべき姿について論じている。

    資本主義は、システムが自己準拠する形に昇華、つまり消費の必要をシステム自体が生み出すことにより、「定期的な恐慌を避けられない」という古典的な資本主義の矛盾を克服した。

    しかし、システム内部での問題を克服したとしても、そのシステムの隆盛は外部からの搾取・犠牲の上に成り立つ。つまりは、大量消費とは大量搾取→ 大量生産→大量消費→大量廃棄というサイクルで成り立っているのであり、最初と最後のプロセスを「南側諸国」で行うことにより、発展国はその「豊かな生活」を維持できている。そしてそれは「環境汚染」「貧困」、そして「資源の枯渇」という問題を作り出している。

    この二つの問題に対し、著者は「自由な消費」もしくは自由を否定せず、<真に自由な社会>を目指すことにより解決するという処方箋を出している。
    理想主義的でもなく、現実追認的でもない処方箋。確かにこの方法しかないのかもしれない。


    そして最後に、「ほんとうに切実な問いと、根底を目指す思考と、地についた方法とだけを求める精神」
    あとがきに明記された、この著者の学問に対する姿勢には感銘を受けた。

  • 資本主義の未来を予見しようと試みた本。大局観がすごい。

  • 未来社会の展望を提案した傑作。sustainable&satisfying society.そんな人間社会を見てみたい。

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著者プロフィール

1937年生まれ。社会学者。東京大学名誉教授。著書に『まなざしの地獄』『現代社会の理論』『自我の起原』『社会学入門』など。『定本 見田宗 介著作集』で2012年毎日出版文化賞受賞。東大の見田ゼミは常に見田信奉者で満席だった。

「2017年 『〈わたし〉と〈みんな〉の社会学 THINKING「O」014号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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