60歳からの外国語修行――メキシコに学ぶ (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784004316787

感想・レビュー・書評

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  • 著者はケルアックの『路上』の翻訳者でもある青山南氏。60歳にして、大学のサバディカル制度を使って、1年弱メキシコに語学留学に出かける顛末記。メキシコの魅力も散りばめられているし、語学は何歳から始めても学ぶ価値があるのだと思わせてくれる良書。

    この新書を通じてガレアーノの『収奪された大地』を知った。あのベネズエラのチャベス大統領がオバマ大統領に読むようにと勧めた本である。また、印象深い一節にも出会った。 “Poor Mexico, so far from God, so close to the United States.” アメリカの一番の産業はアメリカに出稼ぎに行くことだという。

    去年初めてメキシコを訪れた。カンクンで出会ったメキシコ人の家族の優しさ、人懐っこしさが印象に残っている。なぜだかメキシコの人達に親近感を覚えてしまうのは僕だけだろうか?タクシーを何台か乗り継いだが、運転手が皆紳士的で、優しい人達だった。やはり旅の醍醐味は現地の人達との交流である。

    1つだけ心残りはフリーダ・カーロの美術館に入れなかったこと。いつかスペイン語を少しだけでも習得し、再訪したい。

  • 未知の言語をだんだんと習得していく様子が面白い。ケルアックをまた読み直したくなる。

    書き方のせいで実際は違うのかもしれないが、ホームステイ先のお宅を「賄い付きのお得な安ホテル」としか思ってなさそうに見えてしまう。ゴミ出しぐらい最初から手伝ってあげればいいのに、と。

  • ことば

  • こんなにも貪り読む本があっただろうか、というくらいに面白かった。メキシコ生活の珍道中や、言語と文化を感じとってゆく様がリアルで非常に面白い。

  • メキシコ旅行でいちばん役にたった本。
    まず、アグアデオルチャータとか、アグアデハマイカとはどんなおいしい飲み物なのかと思い、メキシコの道路に穴が空いてるのを見ると「あ、空いてる〜」とムカつきではなく笑いとともに受け止められ、タコスを注文しようと思い、なにより行く前からメキシコ人のことがちょっと好きになっていた。
    今度メキシコいくときは短期留学しようかなと思う。語学を娯楽として学ぶ大人知的なたのしさも教えてもらった本です。

  • スペイン語をメキシコで学び、ホテルがわりに、語学学校のホームステイを利用する、というのはいい試みだ。

  • 翻訳家の青山氏が、NHKラジオ講座・スペイン語を何回も挫折していたにもかかわらず(失礼)、60歳を機にメキシコへスペイン語留学をする。ほとんどスペイン語しか話せない老姉妹の家にホームステイし、若い留学生がほとんどの語学学校でレベル1から学んだ留学記。
    語学はすべからく不得意な私は、青山氏の翻訳が好きでずいぶん楽しませていただいている。そんな氏の、この情熱に感心!私は、語学的な注釈よりも、メキシコ滞在記として面白く読みました。

  • 東2法経図・開架 B1/4-3/1678/K

  • あの青山南さんである。
    その彼をして、ラジオ講座を聞いたのは4月と10月の1ヶ月だけって…語学あるあるで、ツボ過ぎる。面白くないわけがないんである。そしてメキシコへ行ってしまうところが、素晴らしい。

    習うより慣れろとはよく言ったもので、やはりその言語にまみれることが一番に違いない。虚心に貪欲に手探り(耳探り?)で吸収していく様が、言葉を覚えていく幼児のようで、無垢な可愛らしさ(失礼!)さえ感じられてくる。
    60 歳を過ぎて新しい言語に挑戦するとは、素晴らしい。

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著者プロフィール

青山 南(あおやま・みなみ):1949年、福島県生まれ。翻訳家、エッセイスト。早稲田大学卒業。著書に『小説はゴシップが楽しい』(晶文社)、『60歳からの外国語修行』(岩波新書)、『ピーターとペーターの狭間で』(ちくま文庫)、『南の話』(毎日新聞出版)、『短編小説のアメリカ52講』(平凡社ライブラリー)ほか。訳書にカルヴィン・トムキンズ『優雅な生活が最高の復讐である』(田畑書店)、ジャック・ケルアック『オン・ザ・ロード』(河出文庫)、阿部真理子のイラスト満載のアメリカ現代短編傑作選『世界は何回も消滅する』(筑摩書房)ほかがある。

「2024年 『本は眺めたり触ったりが楽しい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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