私に似た人

著者 :
  • 朝日新聞出版
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感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022511713

感想・レビュー・書評

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  • 2018.4.22-130

  • SNSを通じて、生活に絶望している社会的弱者が繋がり、次々と小規模の自爆テロを起こしていく話。日本人社会の集団心理の弱点はよく言い当てているし、現代社会で実際に起こりそうな気もするが、事件の鍵となる「トベ」なる人物が判明する結末が唐突。総理大臣が「トベ」なのかと思って読んでいた。タイトルの由来も不明。あまり楽しめなかった。

  • 小規模自爆テロ

  • 貫井さんってスゴいなあ。また貫井ワールドにヤラレタ感じです。タイトルもいいし、章立ての見事さも名人芸の域だと思います。
    好きの反対は無関心と言われますが、社会が複雑過ぎてついて行けず落ちこぼれ(学校の勉強と同じですな)思考を徐々に停止していき、中庸を忘れ、耳触りのいいことにしか反応を示さなくなり、最後は茹でガエルになって人類は死滅するんじゃないですかねえ。何故この作品に出てくるような逸話が現実になっているか、やはり無関心に行きつくんでしょうねえ。思考停止は楽だもんね。やはり個人の知的筋トレが必須なんだと思います。

    蛇足ですが「トベ」って「跳べ!」かと思ってたのですが、TOBEで「To Be」なのかなあとも思いました。

  • 読み応えのある作家なので期待したが、今回のは自分としては外れ。

    なんかもう、「日本人は・・」の日本人批判が嫌だね。深みもないし、どこかで聞いたようなポイントばっかりだし。結局この小説は日本人批判と今の日本の社会の批判が主眼だと思うと、わざわざそんな事を小説で読みたなくないよ、という気持ちになった。

    登場人物がつながりがあったりなかったりで、そのつながりが分かる所は少し面白かった。でもチャットで繰り広げられる「議論」もわざとらしいし、小規模テロ(だっけ)の扇動者の仕組みも、首謀者のオチも別に面白くなかったし、取り立てて良い所のない本。

    それでも☆が一つではないのは、やはりこの作家の力量で一応最後まで読んでみる気になったから。

  • 小口テロをテーマにした10の連作短編集。

    トベには共感できないけど、10作品どれもありがちな話ではある。

    ただ、最後は、、読者の想像にまかせます的な感じで、中途半端すぎ。

  • 10人の話を読んで、10回虚しくなった。

  • 想像力の欠如
    結論は出ないが、それでも考えることを止めてはならない。

    エンタメ性は低いが、黒幕の正体は成る程と感じる。

  • この本に登場する「小口テロ」のようなことは現実にも起きている。誰もが被害者にも、加害者にも、傍観者にもなり得る。社会を変えるにはどうしたら良いのか、また真に幸福な社会とは何なのか。最大多数の最大幸福なのか。考えさせられる1冊だった。

  • この小説の中では、トラックでビルにぶつかっていったり、繁華街で数人にナイフをむけたりという、《小口テロ》が日本のあちこちで起こっている。
    犯人たちは、組織に入っているわけではなく、思想を持っているわけでもない。
    自らをレジスタントと称して、ただこの社会に抵抗したいのだった。

    そんな異常なことがごく見慣れた日常の風景となっている社会を舞台に10人の人々の目線で語られる。


    読み終えて、おそらくみんな考えるのではないだろうか。
    私は誰に似ていたのだろう…と。

    最初は、この中の誰でもないと思ったけど、簡単にこの中の誰かになってしまうかもしれない…とも思った。

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著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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