クラスメイツ 〈後期〉

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (235ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784038144202

感想・レビュー・書評

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  • うう、やっぱり美奈子の出てくる話なんかつかまれてしまう。そして、ちゃんと光が見えてよかった。
    どうしても個人個人の出てくる割合が少ないので物足りなく感じてしまうところはあったが、前期後期通して全員をのぞかせてもらったら、けっこう満足できた。
    後期はイタルとヒロが好きでした。
    イタルの考えてるどうしよもない自己中心でバカでどうしようもないところが何だかちょっぴり愛おしく思えるぐらい可笑しくて、笑ってしまった。
    これほどまでにクラスの一人一人をかき分ける力、感服してしまった。そして、やっぱり全員通して読むととてもいい!
    自分にもある部分、まったくない部分、誰かの中に重ねたり、見つけてみようとしてみたり、この本の中で一緒に考えたり探したり、素敵な時間を過ごせた。
    いつか、わたしに子供が生まれて中学生になり、新しい環境の中で悩んだり躓いたりした時、そんな時に読ませてあげたい。

  • すばらしい
    森さんってあらためて、うまいなーと思った

    もやもやしてる言葉にならないような感情や気持ちをうまく表現して、
    1年間というまとまりの中でうまーーくまとまってる

    不登校だった田町ちゃん(不登校の理由が、いじめとかじゃないのがいい)の家に男子3人が説得に行って、
    陸くんが泣いてるところがじーーんときた
    よかったよかった

    不良になりかけた奈美ちゃんもちゃんと仲直りできたし、
    いろいろワケありだった面々も自分の居場所を見つけたり、おさまるところにおさまって、

    最後までヒロくんがヒロくんらしくてちょっと気の毒かなと思ったけどなんか両思いになりそうだし^^

    アリスちゃんの処女を守る賭けなんて、
    ありそうでなさそうで(ないよ!)
    そこはかとなく百合くさく、
    でも友情なんだよね
    なんかまっすぐで穢れないかんじで、よかった

    きっとみんな色々あって、どうしても仲良くなれない子もいたり、どうにも性格のねじまがった子もいたりするのかもしれないけど、
    でもこういう好例(?)もあるということで、
    世の中の中1に読んでほしい!
    と思った快作だった

  • 森絵都のYA作品は、鉄板だと再認識。理屈抜きで面白い。
    大人向け(?)だと当たり外れがあるのだが、YAの場合のこの安定感…

  • 『クラスメイツ』の後半。
    どの子のことも否定もしなければ褒めてもいないのが、好感が持てる。
    A組「解散!」の仕方が清々しくて、とても心地よかった。

    「後期」のお気に入りは、ヒロと楓雅、でした。
    基本、不器用なタイプが好きです。

  • ちょうど、中学生になったばかりの子供がいるので
    思わず手に取ってしまった。
    前期よりは、後期のほうが面白くて中でも
    不登校の田町ちゃんが、合唱大会の伴奏者に選ばれたのがきっかけで、学校に行けるようになった話が好き。
    実際、ピアノを習っている子はたくさんいるけど、合唱大会の伴奏をしてくれるレベルの子はなかなか見つからないんだよね。

  • 中学一年生の秋頃から冬、そして次の春まで。クラスメイツの12人の視点。

    読みながら思ったのは、精神的な成長の差を感じられて面白いなあということと、みんな恋してるなあということ。
    何も考えてないようで周りを気にしてる子。周りにどう思われるか、そればかり気になりだすのが思春期の入り口だ。
    そして気づくと目で追っている相手がいることに気づいて、それを恋だと認めたら思春期ど真ん中。
    それを青春と呼ぶひとは多い。ぼくはその期間を自尊心の沼と呼んでいる。

    なんにせよ四季が巡ればまた桜の季節が来る。桜は別れの季節を彩ってくれる。
    短い付き合いだったけどいいクラスだった。ほとんどスポットライトは当たらなかったけど、担任の先生がよかったから素敵なクラスになったんじゃないかな。
    終業式の桜の場面、ページをめくりながら頭のなかではフジファブリックの『桜の季節』が流れていた。センチメンタル過剰。
    https://www.youtube.com/watch?v=gBkPaCnQ8_g

  • 全員分読み終わったーー!!誰かしらに共感できるしこういうのあるよね!って思った!
    田町さんの伴奏のおはなしがすきだなあ。あと担任の先生もすごくすき!1年間みんなと一緒に過ごした気分になりました。

  • 田町がよかった。このちゃんの老人ホームでのボランティアのとこも。人は励まされるより励ます方が好き、みたいなのが、納得。
    生きているって、必要とされ、役立つ実感大事だよなー。
    よい本だった。中学生にぜひ。

  • 全編後編通して読んで、覚えてる話と全く頭から抜けている話がある。
    きっと実際の中学生もそんなカンジだ。
    印象的な子もいれば誰からも忘れられてしまう子もいる。
    私は後者だけど、もう悲観もしないし羨みもしない。
    意味がないから。

    中学生っておもしろくて難しい。
    でもきっと誰にとっても瑞々しくて少し気恥ずかしい思い出があるんじゃないかな。

  • 一人ずつの文章量がちょうどよく、飽きずに一クラス分読めた。

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著者プロフィール

森 絵都(もり・えと):1968年生まれ。90年『リズム』で講談社児童文学新人賞を受賞し、デビュー。95年『宇宙のみなしご』で野間児童文芸新人賞及び産経児童出版文化賞ニッポン放送賞、98年『つきのふね』で野間児童文芸賞、99年『カラフル』で産経児童出版文化賞、2003年『DIVE!!』で小学館児童出版文化賞、06年『風に舞いあがるビニールシート』で直木賞、17年『みかづき』で中央公論文芸賞等受賞。『この女』『クラスメイツ』『出会いなおし』『カザアナ』『あしたのことば』『生まれかわりのポオ』他著作多数。

「2023年 『できない相談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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