消えてなくなっても (幽ブックス)

著者 :
  • KADOKAWA/メディアファクトリー
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本棚登録 : 540
感想 : 79
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  • Amazon.co.jp ・本 (213ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040663517

感想・レビュー・書評

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  • そりゃあ手にも取る。
    だって帯が、萩尾望都の推薦文!
    気になる。
    以前読んだ作者の「しずかな日々」がなかなか良かったのもあって、読んでみた。
    うううーん…。
    キャラクターはなかなか面白い(特に河童。泣かせるわ…)のだけど、この「真相」、似ている大ヒット映画があるんですよね…。
    結構早く気づいてしまった。
    気づいても物語が良ければ気にならないと思うのだけど、最後もそれで終わっちゃうの?という感じで…。
    彼らの人生は何だったのか…真相を知ったところでどうなるというのか…。
    私には消化不良。
    この結末が好きだという人もいるとは思うけど!

    あと、風景描写などはとても丁寧で綺麗なのだけど、人の感情描写になると途端に文が固くブツ切りになり、新聞記事を読むような印象だった。
    「しずかな日々」ではそんな印象を受けた覚えはないんだけどな…。

  • 堀川アサコさんの幻想のシリーズを思い出し、それ以上に、シックスセンスは素晴らしい映画だったな、と思いだし、あとは伏線を確認しつつ、読み進めました。
    銀霊草の表紙。山歩きしていて時々見かけました。透き通るような白い植物。小さくて、あまりよく見つかるものではなかったので、出会うとうれしかった。表紙がすべてを語る物語。私は好きな表紙です。
    なんと言いましょうか、強烈な印象こそ残らなかったものの、フワ~っとした、ホワ~っとした、そうですねえ、とても落ち着く美味しい煎茶、香りが良くて、変に熱さが口を刺激しない、熱くないんだけどゆっくり飲みたい、そんな味わいでしょうか。
    キヨシや孝美さんのサイドストーリーが出たら、ぜひ読みたいと思います。

  • 【あらすじ】
    タウン誌の編集をする青年・あおのは、ストレス性の病を抱え、神話の伝説の残る緑深い山中にある鍼灸専門のキシダ治療院を取材で訪れる。どこへ行っても治らないという難病がそこでは治ると評判で、全国から患者が後を立たず訪問する治療院だった。先生に会ってみると明るくさばけており、先生の手伝いとして、同じ年頃の小説家志望のつきのという女性が居候していた。あおのは、自分の治療をかねて、三人暮らしをすることになる。規則正しい暮らし、治療の手伝い、つきのとくだけた本音の付き合いをすることで、あおのの病気は少しずつ回復に向かっていく。そしてついに、あおのは庭先で河童に遭遇する! それが意味するものは……。つきのもあおのも同じように、両親を幼いころ亡くしている。つきのは孤児院に、あおのは親戚に預けられていた。あおのの心を開いたものは何だったのか、二人を結びつけた運命とは……。

    【感想】
    不思議な終わり方だった。結局どうなったのか、わたしにはわからなかった。でも、あおのとつきの、先生と孝美さんの生活は、毎日がとても充実しているように思えた。この物語を読むと、今まで信じられなかったことが、少し見えてくるんじゃないだろうか、と思った。

  • ダヴィンチで紹介があって読んでみたけれど、若い人向けみたい

  • まあ、ありがちといえばありがちな物語ですが、終始ホンワカしたファンタジーで気持ちよくさらっと読めました。
    若者向けかもしれません。

  • タウン誌の編集をしている水野あおのは、取材で山奥にある鍼灸専門のキシダ治療院を訪れる。
    あおの自身もストレス性の病を抱えており、治療もかねて不思議な力を持ち優しくさばさばとした節子先生、先に居候していた“つきの”と一緒に暮らすことに。
    穏やかできちんとした生活や草花を慈しむ温かさもあり、憑りつかれた患者やひょうきんな河童が登場するなど幻想的な部分もある。
    途中まではこの穏やかな生活が羨ましくもありましたが、終盤の展開には置いてかれてしまいました。
    んんん?と思っているうちに終わり、後に残るやるせなさ。

  • なんとなく結末は予想できていたかな。ここではないどこかのようなお話。

  • 『しずかな日々』で好きになった椰月さん。
    最終的にはやっぱり、日だまりと緑のあったかなイメージにたどり着いた。

    それでも、オビに書かれているほどの号泣、というか涙はなかったかな…。
    途中からなんとなくオチがわかってきてしまって、それが悪いとは思わないけれど、読後感がちょっと物足りなかった。

  • 作中で少しずつ感じた違和感のよぅなものが、
    ラストの切なくも暖かい展開の伏線となって、
    じんわり…とした読了感で読み終えますが…、
    帯にある、絶賛の感動やうるうる感までは、
    ボクは、そこまでは感じなかったです…。

    特に、ラストの場面は、何とな~く、
    よくありがちな映画のラストシーンっぽくて、
    また、エピソードもそれほど意外性もなくて、
    ボクは、そこまでは感情移入しなかったな~。

    設定は、まんま『シックスセンス』ですが…、
    直球の、ファンタジックホラーに徹した方が、
    もろもろ、よかったんでは…と思いました…。

    決して、悪くはなぃんですけどね…、
    ふつぅ以上の評価まではなぃかな~?

  • ラストのラストに盛り上がり、種明かしに胸を痛めるが、単線上に、あらゆるドラマチックな素材の表層を乗せた感。

    2015.2.1

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著者プロフィール

1970年神奈川県生まれ。2002年、第42回講談社児童文学新人賞を受賞した『十二歳』でデビュー。07年『しずかな日々』で第45回野間児童文芸賞、08年第23回坪田譲治文学賞、17年『明日の食卓』で第3回神奈川県本大賞、20年『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』で第69回小学館児童出版文化賞を受賞。『明日の食卓』は21年映画化。その他の著書に『消えてなくなっても』『純喫茶パオーン』『ぼくたちの答え』『さしすせその女たち』などがある。

「2021年 『つながりの蔵』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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