- Amazon.co.jp ・本 (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041001622
作品紹介・あらすじ
1995年1月17日、兵庫県南部を襲ったM7.3のGEQ(大地震)。阪神淡路大震災と呼ばれた震災から13年-日系ジャーナリストのジョージ松永は、行方不明の友人のメールに導かれ神戸に降り立った。待っていたのは謎の女CHISATO。震災に関わる重要人物たちに取材を始めた松永は、やがて恐るべき真実に直面する…。9.11に連なる世界のテロ、大災害の裏に潜む巨大な陰謀とは?各紙誌で絶賛された問題作、文庫解禁。
感想・レビュー・書評
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【秀作】
事実に基づくフィクション。
事実をフィクションのように
フィクションを事実のように
「信じるか?信じないか?は、あなた次第です」とはいえ、一考する価値 アリ!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
9・11同時多発テロは元々が人為的なテロだが、世界各地で起きた天災までも見事なまでに陰謀説としてまとめ上げた作品。しかもかなりしっかりとした策略論が背景にあり、「ひょっとしたらホントにこんなコトが…」と納得させられ、ノンフィクション作品と言われても信じてしまいそうな内容だった。まぁ、こじつけと言えばそれまでかもしれないけど、ここまで信憑性のある内容だと、実際に利益を得たとされる人たちに対してついつい穿った見方をしてしまいそうだ。。。
若干、突拍子がないとは言えないもののホントに陰謀説が良くできていて、どの事例を見ても実際の社会背景と照らし合わせた整合性が計られている。
確かに中国四川大地震とかはタイミングを考えると著者の見込んだ通りの効果を得てる訳で、否応なしに怖いものを感じてしまう。。。。
いくらフィクションとは言え、これだけ巧みに裏付けられた陰謀説での実例を挙げられると、一時期話題になった東日本大震災の人工地震説も今更ながらに信じてしまいそうだ…
等々と、陰謀説を交えたミステリーで「概念としてのフィクション」作品としてみれば十分に読み応えがあり、興味深い物語だった。
ただ、それ以外での人物描写については若干希薄だったんじゃないだろうか。
幼い頃に阪神淡路大震災で被災し、傷を背負ってきた麻紀は精神を苛まれながら結局何をしたかったのか?松永に何を求めたのか??
そして吉村は一体…
ラストシーンの北京五輪開会式も、このシーンだけで想像すれば映画の1シーンのようだけど、それまでの流れからすると中途半端な感じが否めなかったかと。。。。 -
部類としては、トンデモ系に入ってしまいそうな内容。
ダヴィンチ・コードの様なもの。
冒頭に「主幹となるエピソードは事実に基づいている」とか
書いてあるとワクワクする(不謹慎だが…)ので、微妙だなと
思いつつも読んでしまう…。
「THE WAR 異聞 太平洋戦記」も読んでるし…。
帯に堂々と今回の確信が書いてあるので、
「何の為にやったのか」という事に焦点がうつるのだが、
それがまあ、結局そういう事なのね、という感じなので
すくみ上がる程の事はない。
陰謀系が少しでも好きであれば読んで損はないかと。 -
1995年1月17日阪神淡路大震災。
大地震は果たして、自然災害なのか。
主人公の日系ジャーナリストが、重要証言を集め始めると...
9.11の米テロが陰謀説だということは、数多くの著書が記されている。政府ぐるみでユダヤ資本に莫大な資金がもたらされたのは周知の通りだ。
ワールドトレードセンターをタダ同然で解体し、数十億ドルの保険金がユダヤ系オーナーの懐に入った。
90年代以降の殆どの大規模地震が自然災害ではなく、人工的に引き起こされた人為的経済効果だと。
被災による経済損失よりも、復興特需による経済効果は遥かに凌ぐ額が生まれる。
本作は事実に基づくフィクションである。
丹念に地道に、情報を集め、作り込まれたジャーナリズム精神に基づく柴田氏の本作は、相変わらず読み応え十分だ。
松本清張の後継者に足り得る作家だ。 -
2012.04.19 読了
好き。
ドキュメンタリー小説とでもいうのか。
事実に基づく話の中でもっともらしい仮説を展開。そのもっともらしさが本当にもっともらしくてグイグイ読んだ。
でもたぶん本当な側面は数多くあるんだろうな、と。自分にそれを検証する力はないけれど、ただただ、そう思わせるものは現世界にあるんだろう、と思った。よくも悪くも。 -
あくまでもフィクションだとしながら、これはすごく本当っぽくて、おもしろかった。信じるかどうかはあなた次第ってやつ。この作家は注目しよう
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最初は陰謀が渦巻くドキドキする国際的な小説かと思ったのだが、お金のために無茶苦茶やる国家と会社の話になっていた。期待はずれだった。
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荒唐無稽、だが事実は小説より奇なり。読後感は悪くないので、星三つ。
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阪神大震災を皮切りに様々な巨大地震が人工的に操作されている。
本当にそうだとしたら地震を止める研究に着手すればいいのに。人間は破壊する事に関しては得意分野なのだろう。
今度はどこが人工地震が起きるのだろうか。アメリカ軍が撤退したアフガニスタンで何か起きるのか。冬季オリンピックの北京で起きるのか。。。 -
柴田君のこのジャンルへの取り組みを評価する声が多いなぁ。天狗やカッパの話もおもしろかったけど。もう少しフォローしたい作家やな。頑張りや。
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2018/11/28 4分の3くらいまで読むが、もう良い。
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期せずして、9.11に読み終わった…
信じるも信じないもあなた次第です 笑
そう言われると、そうなんだ、すごいタイミングで大災害が起きてるんだ。
もしも、本当に人的に起こされてることだとしたら、どう前向きにとらえようと努力しても、私には認められないし、もしもそれが偶然そのタイミングで起こってたとしたら、神様の存在を考えてしまう…
でも、私が震災で大切な人を失ってたとしたら、不愉快でしかない話だな。
許せない。 -
阪神大震災、9.11などの陰謀説を説いた小説。
「信じるか信じないかはあなた次第」
と言われている様な気もするけど
もし真実が含まれているなら、かなりの衝撃です。
火のないところに煙は立たぬと言いますが、本当のところはどうなのでしょう。
震災では沢山の人たちが辛い思いをしてきました。
もちろん今も終わった訳ではありません。
あんな辛い出来事が人の手によって起こされたとは私は思いたくないなぁ。
悲しすぎる。 -
阪神淡路大震災から13年。日系ジャーナリストの松永はCHISATOと名乗る女性に導かれ、阪神淡路大震災の取材を始める。
あの地震は人工地震だったのか?
と言う説に基づいて、ストーリーは進みます。
「人工地震」なんてまさか!と思いますが、この本を読んでいると「本当にこれは人為的に引き起こされた地震なのかもしれない」と素人である私は思いました。
かなり説得力があるんです。この地震が起きたことによって誰が得をしたのか?とか政治的な陰謀も含め、本当にリアルでした。 -
面白いかった。
地震兵器という、嘘か本当か
わからないけれど、
あり得そう。
調べてみよう。 -
阪神淡路大震災の不審点を探る,日系人ジャーナリストのジョージ松永と,謎の女CHISATOがやがて恐るべき真実に直面する。
ストーリィもさることながら,謎の女CHISATOが終始メンヘラ発言連発だし,「MacのPCが~」「スタバが~」「○○の時計を~」的なセンスが痛々しい。
とりあえず天狗も河童もテロも地震も全ては陰謀ということで。 -
うーん、なるほど
近年の×××をそう持っていきますかぁ
国家規模…
経済振興… -
戦後最悪の首相は誰か。記憶に新しいところでは原発対応を失敗した菅直人だとか、いや、格差社会を助長した小泉純一郎だとか、ちょっと戻って派閥金権政治の象徴である田中角栄だとか、いろいろ意見はあるだろう。しかし多くの国民を見殺しにしたという点においては、間違いなく村山富一だ。
1995年1月17日未明に阪神淡路地方を襲った未曾有の大地震。真冬の寒さのなかで倒壊した建物の下敷きになり救助を待つ人に、襲いかかったのは大規模な火災だった。道路は寸断され、消防車は行く手を阻まれ、消化活動ができない。このような大規模災害時において救助活動ができる能力があるのは自衛隊だけだが、自衛隊は出動要請が来なければ部隊を出すことができない。
被災地の行政は機能が麻痺した。このような非常時には中央政府が一刻も早く救援体制を組まなければいけないのに、村山首相は、あろうことか緊急性のない会議に出席し、事の重大性にようやく気づいたのは、地震発生から6時間以上が過ぎた正午ごろ。その間なんの手も打っていない。迅速な対応があれば救われた命が、どれだけあっただろう。
この本は、事実をもとにした創作だが、震災時の地方自治体、自衛隊、そして内閣の対応などは、どれも事実と思われる。(麻生幾のノンフィクション『情報、官邸に達せず』をむかし読んだが、おおよその事実関係はこの本と同じだった記憶がある) この部分を読むだけでも、とても勉強になる。いま話題になっている自民党の「国防軍」構想には賛成しかねるが、自衛隊が今の憲法ではがんじがらめだ、ということは、やはり考えなくてはいけない問題だと思う。
しかし、この本の主題は別のところにある。阪神淡路大震災は人為的に惹き起こされたもので、その裏には政財界を巻き込んだ巨大な陰謀があったという設定だ。
そこから物語はフィクションになってくるので、陰謀論とか地震兵器などの都市伝説的な小説が好きな人は、かなり面白い展開になってくる。荒唐無稽と退けるのは簡単だが、ここで述べられているような兵器の形態は、はっきり言ってそんなに難しい技術でもない。また故意ではなくとも、海底資源開発などの場合、掘削による活断層へ海水流入などで地盤が緩み、大規模地震を誘発する可能性も現実味がある。シュミレーションノベルとしての完成度は非常に高い。
情報が盛りだくさん過ぎて、素人にはどこまでが本当なのか判断できないので、巻末で専門家が解説をしてくれたら、なお良かった。
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人工地震という「本当にそんなのがあるのか?」と思う題材だが、臨場感あふれる表現で本当と思わせる力があった。実際に阪神淡路大震災が人工地震だったのかはさておき、陰謀史観の観点からも楽しめる作品。
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2012/05/27読了
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2012/05/22
復路 -
あくまでもフィクションとうたっている爆発テロ、大地震(GEQ)とそれに絡んでくる政府の陰謀が現実と交錯し、まさか、、という気になってくる。
数分前までの日常が、一瞬にして消え去り、過去のものとなってしまう。
多くの命が奪われてゆくのが辛い。
本当に気象庁は何かを知っていたのだろうか。
政府の都合で情報が操作されていたとしたら。
松永と麻紀の心の通い合いも気になる。
ボリュームといい、迫力といい満足のいく作品であった。 -
阪神・淡路大震災の影に、実は国際的な陰謀が蠢いていた。阪神、東京、アメリカ、北京五輪を控える中国を舞台に、日系米国人のジャーナリスト、ジョージ松永が真相に迫る。
ノンフィクションも手がける著者の柴田哲孝氏だけに、事実を織り込みながら読者を惹きつける。
阪神大震災では、法律的な手順の問題などから、自衛隊の出動が遅れ、災害派遣法が改正された。この時、重点的に変えられたのは原子力災害への派遣規定だった、という。
少し長いが引用する。
「松永は、胸騒ぎを覚えた。阪神淡路大震災の教訓を踏まえた自衛隊法の改正であるはずなのに、なぜ”原子力災害”なのか。当たり前に考えれば、原子力発電所の事故に対応するということなのだろう。だが、それにしては”地震災害”よりも明らかに”原子力災害”を重視しているのが不自然だ。これは単なる災害派遣法の改正ではない」(ハードカバー版P181)
なるほど。政府は当時から地震に連鎖して原子力災害が起こることをある程度、予見していたのか。地震の規模はともあれ、原子力災害自体は「想定外」ではなかったのだ。