最後の証人 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 293
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041066584

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりにページをめくる手が止まらなかった。
    罪を犯す、罪を償う、罪ってなんだろう?考え出したら止まらなかった。

    息子を轢き殺された夫婦の哀しい物語でもあり、警察や検事の世界のヒエラルキーへの怒りや、どうして弱い立場の人がこんな思いをしなければならないのだろうという憤り。
    いろんな感情が入り乱れて、苦しかったです。


    夫婦の真の計画や、被告人が誰なのかということや、証人に誰が出てくるのかなど、予想を裏切る展開の連続で、伏線回収もすばらしく、見せ方がすごく秀逸でした。

    他のシリーズも読んでみたいなぁ。

  • 途中であれっ?被害者は 美津子?ってなりました。てっきり島津だと思っていたので
    最後まで どうなるんだろう?ってワクワクしながら読みました。
    スッキリとは、いかなかったけど ぐっとくる終わりかたでした。

  • 裁判の様子と犯罪の様子が同時に描かれていて、途中まで被害者と犯人のミスリードされていた。真の計画をどのように裁判で明らかにして行くのか引き込まれて一気に読んだ。このシリーズ制覇したい!

  • とても面白かった。
    文章の書き方も話の内容も好みで、すぐに読んでしまった。
    やはり事件のトリックなどよりも犯人や被害者の心理描写がよく書かれている作品が好きなのだと再認識した。

  • 同郷の方で長らく気になってはいたのですがなかなか読めずじまい。最近法廷モノの作品を読んだこともあり、裁判つながりでこの作品から読み始めてみました。

    佐方貞人シリーズと呼ばれる作品の第一話目です。主人公は、弁護士という格式高い職業とは対照的に、見た目はズボらでやる気も無さそうに見えるタイプです。しかし、話が進むにつれて弁護士としての熱意や自分の正義を追い求める姿が見えてくるところが、ギャップがあってとても良いです。

    文章全体としては、明確でわかりやすいという印象を受けました。回想シーン→裁判のシーンと時間軸がいったりきたりする点はありますが、内容自体はとても分かりやすくスッと入ってくると思います。後半のほうにはアッとなるような展開もあり、読んでいてとても面白かったです。

    全話まとめ買いしたのでボチボチと読んでいきます。

  • 検事を辞して弁護士に転身した佐方貞人のもとに殺人事件の弁護依頼が舞い込む。ホテルの密室で男女の痴情のもつれが引き起こした刺殺事件。現場の状況証拠などから被告人は有罪が濃厚とされていた。それにもかかわらず、佐方は弁護を引き受けた。「面白くなりそう」だから。佐方は法廷で若手敏腕検事・真生と対峙しながら事件の裏に隠された真相を手繰り寄せていく。やがて7年前に起きたある交通事故との関連が明らかになり……。

    裁判の証言により物語が進みつつ、合間合間で過去の事件や今回の事件が振り返られる構成が面白かった。途中まで犯人や被害者が誰かをわからなくさせる展開も良かった。また、交通事故の事件だけでなく佐方が検察を辞めるきっかけとなった事件についても語られており、警察と検察の身内に甘い組織という共通点もある事件であるのも興味深い描き方だと思った。

  • 何となくこういうことかなって予測がついてしまってあんまり楽しめなかったかも。全然違うけど、その女アレックスを思い出した。

  • 本当に裁かれるべき人間は誰なのか 権力や司法のあり方も興味深く読めました。エピローグには少し涙。一度目は過ちでも二度行えば生き方だのことばの重みがあると思った。

  • 人は、選ばなかったもう一つの人生に
    常に嫉妬して生きていく生き物だ。

    そうかな。

    でもこの作品の中では妻にも夫にもそんな気持ちは無く、妻は、夫を同志だと言い切った。
    夫も、同志として、それに応えた。

  • 読みやすい。内容も良い。
    途中でオチがわかったよーな気がしましたが、確信が持てずに気になって、結果的に一気読みしました。
    次のシリーズも是非読みたいです。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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