臨床真理 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041083116

感想・レビュー・書評

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  • 大好きな柚月裕子作品で本作がデビュー作。

    これがデビュー作...

    柚月作品は何冊か読んできましたが、全ての作品が読み応えじゅうぶんで、改めて今更ながら「うまいなぁ」と納得。


    本作の主人公は臨床心理士の佐久間美帆。

    彼女が担当することになったのは人の感情をその人が発した言葉と共に色で感じることが出来る「共感覚」を持つ少年・藤木司。

    知的障害施設で司が妹同然に可愛がっていた彩がリストカットをし意識のない状態で発見され、搬送中の救急車の中で息を引き取ってしまうところから本作は始まります。

    彩は自殺なんかじゃなく、殺されたという司。

    司を信じ、彩の死の謎を追う美帆は友人の警察官の力も借りながら真実を追う。

    説明
    内容紹介
    これぞ柚月裕子の原点

    臨床心理士・佐久間美帆が担当した青年・藤木司は、人の感情が色でわかる「共感覚」を持っていた……。美帆は友人の警察官と共に、少女の死の真相に迫る! 著者のすべてが詰まった鮮烈なデビュー作!
    内容(「BOOK」データベースより)
    人の感情が色でわかる「共感覚」を持つという不思議な青年―藤木司を担当することになった、臨床心理士の佐久間美帆。知的障害者更生施設に入所していた司は、親しくしていた少女、彩を喪ったことで問題を起こしていた。彩は自殺ではないと主張する司に寄り添うように、美帆は友人の警察官と死の真相を調べ始める。だがやがて浮かび上がってきたのは、恐るべき真実だった…。人気を不動にする著者のすべてが詰まったデビュー作!
    著者について
    ●柚月裕子:1968年、岩手県生まれ。山形県在住。2008年、『臨床真理』で『このミステリーがすごい!』大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞を受賞。16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞を受賞。丁寧な筆致で人間の機微を描きだす、今もっとも注目されるミステリ作家の一人。他の著書に『最後の証人』『検事の死命』『蟻の菜園‐アントガーデン‐』『パレートの誤算』『朽ちないサクラ』『ウツボカズラの甘い息』『あしたの君へ』『慈雨』『合理的にあり得ない 上水流涼子の解明』『凶犬の眼』などがある。
    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
    柚月/裕子
    1968年岩手県出身。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。18年『盤上の向日葵』で「本屋大賞」2位(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 「臨床真理」柚月裕子氏のデビュー作で、以前から読みたかった作品。
    相変わらず読みやすくてそれなりに面白かったですが、なぜか主人公の行動にイライラしてしまい共感出来ず。また、ストーリーも序盤から予想通りの流れと結末。大好きな作家さんだったので、読む前から期待してハードルを上げ過ぎました。

  • もうひとひねりほしいところもあったが、デビュー作でこのクオリティはすごい。

  • 特に後半は事件の真相が段階的に見えてきて、続きが気になり一気読みでした。
    栗原の発言や行動もかっこよかった!

    扱うテーマ(題材)は、障害者や社会的弱者、そしてそれに絡む性という、普段あまり目につかないもの。読む中で見方が広がり、考えさせられた重厚なテーマでした。

  • 柚月裕子さんのデビュー作。話の内容は、中山七里さんの作品にありそう。高城が悪で、内田は悪じゃないというのは予想できたが、別に不快感はなく、読後感は良かった。栗原の協力が凄い、美帆が好きなんだろうけど。やはり柚月さんの作品は読みやすい。

  • 美帆が深入りしていくのにハラハラさせられた。

    言葉だけでは嘘か本当かわからない。特殊な能力の発想でストーリーの展開がわかりやすかった。
    当分人間不信になりそう 
                 でも、面白かった。

  • 柚月裕子さんのデビュー作と知って買った一冊。

    臨床心理士が事件の真相を調べる話だった。

    医療関係の話は難しい単語や言葉などがたくさん出てくるので途中で挫折しそうになるが、この話はまだ読みやすくわかりやすかった。

    登場人物のその都度の気持ちや状況が細かく書かれていて、登場人物が今どんな気持ちなのかとかがよくわかった。

    結構きつい描写が細かく書かれていて、読んでてあまり気分がいいものじゃない部分もあった。

    人の心が色で読める能力って持っていても、ただ生きづらいだけの能力じゃないかと自分も思った小説でした。

  • 柚月裕子さん、デビュー作。臨床心理士の佐久間美帆が、障害者更生施設で起きた死の真相を調べるという、ストーリー。犯人が誰かを知ったときは嘘でしょって感じ。飽きずにさくさく読めた。☺

  • 知的障害者更正施設に入所していた青年・藤木司を担当することになった臨床心理士の佐久間美帆が、司の親しくしていた少女の死の真相を友人の警察官とともに調べながら、恐るべき真実にたどり着いてしまう作品。

    著者の問題意識の強さが主人公の意思の強さとして現れているのだろう。どんな逆境でも諦めない主人公をついつい応援したくなる。
    主人公を応援しながら読み進めていく中で、知的障害者の雇用問題、彼らに対する性犯罪の問題等、今まで意識したことのなかった社会問題にも自然と気付かせられた。

    ただ、得られる気付きは多いものの、ミステリー小説としてはかなり踏み込んだ性的描写を含んでいるので、未成年にはお勧めできない。

  • 目を背けたくなるような描写もあったが、全体として面白く、先が気になるような文章だった。

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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