臨床真理 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 178
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041083116

感想・レビュー・書評

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  • 柚月裕子作品は佐方貞人シリーズを先に読んでおり、シリーズ以外の作品も気になって、デビュー作から読んでみることにした。

    デビュー作から物語に惹きつける筆力が高く、その後の作品につながる納得の面白さだった。

    障がい者に対する問題や、共感覚などの特殊能力もストーリーに織り込みながらも、物語が進むにつれて衝撃の真実が明らかになっていき、ページを捲る手が止まらず駆け抜けるように読了した。

    ずっと苦手としている任侠ものも、柚月裕子作品だったら読めるだろうか?

  • よめた!

  • ジャンジャンジャーン ジャンジャンジャ〜〜ン 

    と、2時間サスペンスドラマを見ているようで
    一気に読まされた。

    熱くなり回りが見えなくなる主人公を
    ちょっと待て、とクールダウンさせてくれる
    友人栗原の存在がいい。

    デビュー作がこれほどとは
    他の作品も推して知るべしだ。
    それにしても、
    男性作家が書いたような作品である。

  • 感情が色で分かる、という超能力を扱いつつも、
    しっかり地に足ついた展開が嬉しかった。

    筆者の処女作だそうだが、
    「本当に女流作家さん?!」と思わせる潔さと男臭さはこの頃から健在でした。

  • 読み始めたら途中でやめられず、一晩で読破。重たい題材をこんな形でひとつの映画のように仕上がってると思います。しかもデビュー作!天晴です。
    こんな事件が起きてはいけないけどありそうで、いや〜な気持ちにもなりました。

  • 著者作品の中でも一二を争うくらい良かった

  • 映画化もされ、現在2作目が公開中の「孤狼の血」の著者、柚月裕子さんのデビュー作ですね。

    BOOK OFFの100円コーナーで孤狼の血があれば買いたいなーと思っていたのですが、映像化された話題作がそんな所にあるはずもなく…ただ著者のこの作品だけは売っていました。

    僕が大学で心理学を専攻していたこともあり、あらすじを見て惹かれて購入。

    臨床心理士である彼女の仕事周りについて、「こんなこと授業で習ったなー」と思い出す箇所があり、楽しくもあり、飲み込みやすかったです。

    怪しいと思った人物は最後まで怪しいので、犯人を推理するミステリーとしてよりかは、最終的な事件の行く末をミステリーとして楽しんだ方が◎かな。最後までハラハラしながら読了しました。

    ただラストはもう一声欲しいかなー…

    司くんが自分の能力を前向きに捉えられるようになるのはいいんだけど、そこにカタルシスが有ればよかった。

    例えば…
    犯人は保身のために逃げ口上を紡ぎまくる。とても頭が切れるため、矛盾がない。周りはそれを真実だと信じてしまっている。でも嘘をついているか色で判断できる司くんの能力のおかげで…みたいな展開で主人公が危機的状況から救われたり、そんな成功体験から自分の能力を前向きに捉えられるようになったのならば、グッとくるものもあったかもしれないですが…彼が今後もこの能力を使っていくのだとしたら、尚更ね。

    ともあれ、ぐいぐいと興味の持続からページを捲る手が止まらず、ほぼ一日で読み終えてしまいました。面白かったです。

  • 柚月裕子の作品を読みたいと思い、とりあえずデビュー作からと手に取る。とてもハードな作品だった。犯罪のあらすじ自体は素直な感じで、ラスボスもわかりやすいけど、逆に来るよ来るよーっていう怖さをシンプルに味わえる。ドキドキして、一気読みでした。性犯罪の描写が結構露骨なので、中学でもダメです。
    後、共感覚に関しては、音が色に見えるというのは絵本にもなっていて読んだことを思い出した。

  • 柚木裕子の小説は殆どが間違いなく面白い。
    これがデビュー作とは思えない濃い内容だった。
    臨床心理士の美帆と共感覚を持った青年司。
    司と同じ施設にいた少女の自殺から事件が
    始まる。
    司と接する内に、自殺した少女への司の異常な
    執着が美帆と事件を結ぶ発端になる。
    知的障害者を食い物にする悪徳な社会、
    障害者施設の現状を背景に悲惨な事件が繰り返されていた。弱者への社会問題を事件と絡めた
    極上のミステリー。

  • 心理学を専攻する者として、店頭で見かけるたび気になっていたタイトルでした。

    共感覚を持つ人の話。
    大学の講義で少し触れられたときも、佐久間さんと同じくそういう人もいるんだなぁって認識で、にわかに信じ難かったです。
    フィクションだと描きやすい題材ですよね。『日暮旅人シリーズ』も音や匂いが纏う色で推理を進めていく話ですし、ミステリー作品において、共感覚を扱うものが多い気がしています。
    どうしてもファンタジーめいてしまうし、周りからの理解を得られず苦しむ忍くんに同情しながらも、いざ自分の周りにこういう人がいたら邪険に扱ってしまうかもしれないです。

    彩ちゃんの死がどうしても飲み込めないなぁ。忍くん、辛いだろうな。
    内田さんはミスリード要員だったみたいだけど、パソコン盗み見るのはちょっと…。

    後半にかけて性的な描写が多くて、読んでいて辛かったです。犯人の異常性を際立たせるためなんだろうけど、佐久間先生辛い目に合いすぎでは…。
    精神的な病気って身体的なものよりハッキリとした証左を得ることが難しいので、本当に診察時のさじ加減なんですよね。臨床現場、福祉現場への問題提起もしてくださっている本作。参考文献にも触れたいと思います。

    2020.02.16(4h)

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著者プロフィール

1968年岩手県生まれ。2008年「臨床真理」で第7回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、デビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞、16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)を受賞。同作は白石和彌監督により、18年に役所広司主演で映画化された。18年『盤上の向日葵』で〈2018年本屋大賞〉2位となる。他の著作に『検事の信義』『月下のサクラ』『ミカエルの鼓動』『チョウセンアサガオ咲く夏』など。近著は『教誨』。

「2023年 『合理的にあり得ない2 上水流涼子の究明』 で使われていた紹介文から引用しています。」

柚月裕子の作品

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