光圀伝

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (751ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102749

感想・レビュー・書評

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  • 光圀の意外な側面を知ることが出来る。ただ、話は暗く、読むのがしんどかった。

  • 久しぶりに大作を読みました。
    (期限を過ぎてしまいました。図書館すみません)

    俺とっての大義は何だ?
    (作品中に何度も「(大)義」という言葉が出てきます)


    「四十にして惑わず」 あと1年半ぐらいで
    40歳になる身としてはしっかりと考えなければ
    いけない時期かもしれない。

  • すっかり史伝の方に行ってしまったのか、冲方氏は。面白ければなんでもいいですけど。という訳で図書館で借りましたがなんとも厚い本でした。読み終わるまで随分時間がかかりました。

    水戸黄門でおなじみの水戸光圀公ですがこの頃はテレビでも放映されていないようだし段々知らない世代も増えてくるのかな。別にテレビシリーズのような勧善懲悪をしていたとは思っていませんでしたがなかなか色々才能のある方だったんだなあということはよくわかりました。

    庶民に人気があったと言うことは反面、いかに諸大名や権力者たちの権利が大きく理不尽な世の中であったか、ということの裏返しなんだと思います。だからこそ徳川御三家で将軍に対抗できる立場に居る人間が庶民の味方(でも無いとおもうんだけど)なのだと言う事がいかにありがたかったか、ということなのだと思うのです。少し前までテレビでも人気番組だった訳ですから。
    そういう風に考えると今は反対に絶対的権力者の不在による正義や悪の多面性が出て来たのかなあなんて思います。なかなか面白いですね。

  • 光圀のイメージはテレビの黄門様止まりであったので、冒頭部分からショック。なぜ?とという興味に駆られて、本の分厚さと字の細かさにひるんでいたのも忘れて一気読み。光圀という人物にも、それを取り巻く人々にも大変に興味をひかれた。そして彼らの向学心にも刺激をうけた。もっといろいろなことを知りたい。

  • すごい・・・
    長いのでだいぶ時間がかかりましたが、先を読むのが待ち遠しかったです。
    ページをめくらせるのは、光圀は誰を殺したのか、という疑問。とにかくその1点です。
    素晴らしかったです。
    あとは天地明察読んどいてよかったなと思いました。

  • 光圀伝


    水戸藩二代目藩主である徳川光圀のお話、ってまぁタイトル見たまんまだけど。面白かったです。「天地明察」読んで保科正之と徳川光圀に惹かれまして、光圀に関しては同じ作者の作品が出ていたのでこちらを読みました。冲方先生お願いだから保科正之も書いて!
    まぁそんな光圀、若い頃から三男坊である自分がなんで世子に選ばれたのか?その思いに悩み続けます。そして市井でグレて、何の罪もない人を殺したりします。ロックです。

    でもまぁ読耕斎やら山鹿やら史実か知らないけど宮本武蔵やらいろんな人に出会って学ぶコトに目覚めていきます。ガタイがデカくてロックなのに文学もしっかり学んで詩で天下取る!とか言い始めるんだからまぁカッコイイです。

    そんな光圀のお父さんである初代水戸藩藩主、頼房もロックです。幼い光圀を夜に呼び出し「昼間斬った首持ってこいや」とか言い出します。こんなこと言い出す方も言い出すほうだけど聞いた挙句に首を引きずりながら踊りだす子供も子供です。首は翌日煮ます。目玉をつついて喜ぶ幼少の光國。ロックです。まぁこれは「お試し」と言われる行為で、光國が水戸藩を継ぐのに相応しい人物か?を調べていたんですね。他に方法あるんじゃねぇのか?

    そんなお父さんは氾濫して死体やら壊れた家屋やらが流れまくる川を見つけて大喜び。「泳いで渡れ」とお試し発動です。光國病み上がりです。流石に周りも静止しますが光國、飛び込みます。行くぜ!と思った矢先にお父さんも飛び込みます。来い!と。お父さん、なにげにツンデレ野郎です。この後光國の婚儀の際には朝廷から嫁さん引っ張ってきます。怖いことするけど子供が可愛くて仕方ないんですね。ロック失格です。

    あとは「天地明察」を読んだ後にこの本を読むと、保科正之のかっこよさに濡れること間違いなしです。由井正雪の乱の件で光國を黙らせるシーンはたまらないです。あとは安井算哲が出てきたりするとキタ━(゚∀゚)━!っと思ったりします。

    年をとった後の光國の方がやっぱりカッコいいですね。それは父母妻子の死があり、盟友達のの死があり、その上でたどり着いた達観なのでしょう。

    でもまぁこれだけの人でも治世って面では頑張ったけどそれほど実績は残せていないんだよねぇ。大日本史も詩のやりとりを冷泉為景やら実質後西上皇としたり奥さんが皇室だったりとまぁそんなんで超朝廷贔屓の影響が出たりと、まぁ思想的には偏りはあるけど、それも彼の義なのでしょう。義の人なのです。だからお兄さんである頼重の子供綱條を自分の跡継ぎにしたりするんですね。

    あと左近が可愛すぎです。ガッデム!クールビューティ!

    大変面白かったです。

  • 江戸初期の文化、史記の話などに慣れず、読み進むのに苦労した部分もありましたが、読み終えてじんとするほど良かったです。
    歴史上でも史上最悪と思っていた五代将軍綱吉。うん、確かにあの法令は最悪でしたが、決して愚鈍なばかりではなかったろうに、将軍であること、将軍を支える人々というのは大変なのだと改めて考えさせられました。今の世にも通じますしね。
    途中『天地明察』での一場面も出てきて、光圀側から見るとこんな感じなのかと思いました。
    光圀が生きる時代が早すぎた。そう思います。

  • 面白かった!
    長い話だったけれども、飽きることなく読了。

    光圀公が冒頭で一人の家臣を手討ちにする。そこまで行き着いた経緯を光圀公の生い立ちから語られる。
    ここまで「義」にこだわるものなのか、ちょっと想像がつかないけれども。

    この作者の今まで読んだ作品の中で一番良かった。

  • 光圀は常に場面、場面に全力でぶつかり生きてきたのだろう。
    大義に従い、綿々と世代をつなげていくこと、それこそが我に与えられた役目であると。
    「余もまた、この世に生きた」と石に向かって静かにささやくシーンがそれを象徴する。

    読後、高村光太郎の『道程』が頭の中に浮ぶ。
    「僕の前に道はない。僕の後ろに道は出来る。」

  • 読み応えもあるし、丁寧な時代小説。
    運命を感じる物語ー。算哲も絡ませてさすが冲方さん。

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著者プロフィール

1977年岐阜県生まれ。1996年『黒い季節』で角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年『マルドゥック・スクランブル』で第24回日本SF大賞、2010年『天地明察』で第31回吉川英治文学新人賞、第7回本屋大賞、第4回舟橋聖一文学賞、第7回北東文学賞、2012年『光圀伝』で第3回山田風太郎賞を受賞。主な著書に『十二人の死にたい子どもたち』『戦の国』『剣樹抄』『麒麟児』『アクティベイター』などがある。

「2022年 『骨灰』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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