デッドマン

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041102916

作品紹介・あらすじ

頭のない死体、胴体のない死体…身体の一部が持ち去られた6つの死体が都内で次々と発見される連続猟奇殺人事件が発生。鏑木鉄生率いる個性派揃いの特別捜査班4人が捜査に当たる中、一通の奇妙なメールが届く。差出人は「デッドマン」。彼は6つの死体のパーツを繋ぎ合わされて蘇った死人であると言い、自分たちを殺した犯人を暴くために協力したいというのだが…。第32回横溝正史ミステリ大賞大賞受賞作。

感想・レビュー・書評

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  • 頭部だけなくなった死体と胴体だけなくなった死体と右足左足右手左手だけそれぞれなくなった死体。計6死体が次々と発見される連続殺人が発生。
    それぞれの死体を組み合わせて生き返らせたデットマンという男と、事件の謎を追う刑事たちのパートが交互でテンポ良く読み進められて面白かった。
    昔、本当にあったという精神外科手術の話は恐ろしかった。

  • 島田荘司先生の「占星術殺人事件」をリスペクトした作品。   身体の一部を持ち去る6件の猟奇殺人事件が起き、持ち去ったパーツを結合させ一人の人間を創り出す。魔術かSFか。スピード感もあって設定が面白くて一気読み。ロボトミーなどまだまだ手探りであっただろう昔の医療。改めてその悲惨さと恐ろしさを思うのだけれど、最後はただただ切なかった。面白かった。

  • 不思議な雰囲気の作品。
    最後には悲しさ、やりきれなさが残りました。

    最初から最後まで、登場人物の記憶喪失(錯誤?)もあってか、出てくる遺体の状況は凄惨なはずなのに、おどろおどろしさは感じない。必要以上に好奇心を手当たり次第に刺激されることもなく、気持ちの良い読書体験。

    主人公とともにだんだんと気づいていけて、最後に一緒に答え合わせをしていくのが気持ちよかった。

  • すごく面白くて、後半は一気に読みました。

  • 登場人物と展開が漫画みたいだな、という感想です。
    タイトルの正体がわかるまでが一番面白かった印象です。

  • SFかと思ってたが、すっかり騙された。しかも気持ち良い騙され方。これが初作とは思えない位完成度が高かった。こういうのに出会えるとは読者冥利に尽きない。

  • 面白かった。「占星術殺意人事件」の中の「手記」を連想したんだけど――。私だけ?

  • 新人さんだと思って油断していたらびっくり!ぐぐっとつかまれページをめくるのが楽しくて仕方ありませんでした。ちょうど「占星術殺人事件」を読んでそれほど時間がたっていなかったのでそれをリスペクトして書かれているのはすぐわかりました。題名の意味するところ。そうしなければならなかった理由。巧妙に隠されているもの。ある程度想像できてしまう部分やちょっとご都合主義と思えた所はありましたがそれでもよく考えて作りこんであると思います。キャラも生きていて、しっかり楽しめました。これからが楽しみですね。

  • いやーこの作品も面白かった。とてもデビュー作とは思えない。奇想天外なネタだ。首を切られた頭部だけで生きているはずがないのに、思わずいや生きているのだろうか?とその後の展開を期待してしまうほど話の展開が面白い。

  • 第32回横溝正史ミステリ大賞受賞作。

    01 日記
    02 勃発
    03 帳場
    04 結成
    05 覚醒
    06 連鎖
    07 蘇生
    08 膠着
    09 少女
    10 推理
    11 接触
    12 自立
    13 過去
    14 執念
    15 宣告
    16 説得
    17 凶器
    18 対決

    捜査本部長代行を拝命した捜査一課の警部補・鏑木は、後輩の姫野、同期の正木、科学捜査研究所の澤田と共に、6人連続殺人事件に挑む。

    事件は体の一部がそれぞれ持ち去られ、持ち去られた身体をつなぎ合わせた人間・デッドマンからの接触で大きな展開を迎える。

    デッドマンからの情報にある過去の裁判記録と被害者同士の接点、そしてデッドマンが話す少女と女医との関係は?

    想像を絶する事件の深さに読者は震撼する。

  • 実にきれいに首が切断され、頭部を持ち去るという猟奇的な殺人事件が起きた。
    捜査が始まる中、新たな事件が起こる。欠損した遺体が次々に見つかるが、犯人の目星さえつかない。
    そして覚醒した彼。記憶は無く身体はボロボロ、自分は死体を集めて作られたのか…?
    妙に勘が冴えているくたびれたオジサン刑事、いいとこのボンで頭は良いが刑事オタクのコンビや
    クールなインテリメガネ、口は悪いが憎めない同僚など、個性的な捜査陣がいい味出してます。
    おすすめいただいて読みました。ミステリなんだけど熱くて、非常に面白かったです。

  • 第32回横溝正史大賞受賞作。
    頭を持ち去られたり、腕を持ちされれたりの殺人事件が発生。被害者たちに共通点は見当たらない。
    一方、軽井沢らしきところ。高坂紫苑という名の医者のもとで入院しているらしい若者。18歳の娘に会い、その殺人事件を知る。自分の体は持ちされれたパーツを使用して、作られたものなのでは?
    アゾートといえば、ロボトミーといえば、島荘だ。いいねぇ。溺れる人魚は泣けるんだわ。
    面白半分に手術するって、とうよ?いくら昭和でもねぇ。とか思ったりするが。悪者が大変悪者。でも、殺しちゃいけない、刑事だもん。
    島荘好きだから、なんかこの小説嬉しいわ。

  • 出だしは面白そうなんだけど終盤に差し掛かると尻すぼみになってしまう

  •  最後まで飽きずに読めます。

     が、デッドマンの事より、姫野の過去の方が気になりますね。

  • 第32回横溝正史ミステリ大賞 大賞受賞作。ミステリー?ホラー?前置きが長く展開に少し無理がある感じ。カブとカプの関連、刑事メンバーがやや軽く現実離れ。

  • 読み終わってから表紙のイラストをみると、まさに「デッドマン」でうわああ、となった。
    個人的にはものすごい好き。衝撃。どんでん返し(と皆言っていないけど、わたしにとってはどんでん返しだった)と、ラストにしんみりし、また切なさに涙が出てしまった……。

    猟奇的な感じは好きだけどグロテスクなものは苦手なので、最初読み進められるかなあと不安があった。でもそれは序盤だけで、物語が動き始めると本当に面白いミステリー。キャラクターも個性があって文章も読みやすく、さくっと読める。
    単純なのですっかり騙された。主人公の勘の良さが出来すぎだと思ってしまう部分もあったけど、それはそれ。ばんばん謎を紐解いていく姿に頼もしさと清々しさを感じた。
    続編があるそうなので、絶対に読みたい。

  • 行きつけの居酒屋のマスターから借りて読みました。普通の警察小説と一線を画している内容に思えました。きっとシリーズ化しそうな予感がします。最後は、なんだか予定調和気味な感じもしましたが、楽しめました。

  • 河合莞爾氏、初読み作家さんです。「デッドマン」2012.9発行。第32回横溝正史ミステリー大賞とのことですが・・・、この作品はミステリーなのか?!ホラーのようでホラーではなく、むしろ純愛に近いところも・・・。どうしようもない悪徳政治家は、「ゴルゴタ」のように抹殺して欲しかったけど・・・。そこに読後のやや不満な思いはありますが、読み応えのある忘れられない作品になりそうです。

  • テンポもキャラも良くて面白かった!
    結構エグい話なのに引きずらない感じがいい

  • なかなか読み応えのある本だった

    主人公の鏑木刑事の突拍子もない勘。。。でも事件の核心をつく、その勘のすごさやどっしり?と真剣に仲間や犯人の話を聞く姿勢やらに惹かれた★
    あと、鏑木刑事の言うようにw執念深い同僚と無鉄砲な部下のちぐはぐで、でも良いチームワークで事件に解決していく様は面白かった

    (私の推理力ではw)見えそうで見えない真相が、最後に繋がっていくのは楽しかったし、私が読んできた刑事小説ではなかった題材な感じが新鮮で面白かった

    これがシリーズ第1作目ということで、また続きの小説を読むのが楽しみだ★

  • 読みやすい。

  • お〜。特殊な事例を題材にして起こった変わった事件。文章が上手いので一気に読めた。キャラも親しみやすいしなかなか。犯人は最初からわかってるけど。

  • ご都合主義なところもあるけれど、犯人の一途さや刑事たちのがむしゃらさが好印象。

  • 頭部が切断され持ち去られるという殺人事件を発端に次々起こる特異な殺人、事件を追う刑事たちと、切断された頭部から復活された男。先の読めない展開、最後も失速せずにうまくまとまった。刑事たちの明るいやりとりが、話が暗くなりすぎるのをうまく中和している。

  • 最初おとぼけでうんざり、ここで止めると豪華絢爛の大絵巻を逃します。最高!

  • 内容からするとキャラクターがちょっと軽いけど、冒頭から引き込まれていきました。ラストはよくあるかな、という感じですが、読ませます。

  • 昨今ではアリガチ、ミステリ範疇としてな限界か

  • それは絶対にありえないことだなぁ……と思う方向へ話しが進むのを感じながら、
    ここからどのあたりで「本当のこと」が見えてくるのだろうと
    楽しみながら読み進めれました。

    特に最後の展開は、そうきたかーっ!と驚きと納得。

    文章も軽妙な点が気になることもありましたが、
    そこが面白くもあり、
    全体に「読んで良かった」です。

  • テンポが早く、ごちゃごちゃしてないのでとても読みやすかった

  • 体の一部を切断された遺体が都内で次々と発見される。
    一方、見知らぬ部屋で目を覚ました「僕」は、自分が他人の体をつなぎ合わせて作られた存在であることを知らされた。
    連続猟奇事件の背後に隠された驚くべき秘密とは…。

    初めて読む作家さんのお話でしたが、面白かったです。
    ちっともリアルな話ではないのに絵空事でないと思わせてくれる、「読ませる」手腕が半端ない。

    ひたすらグロテスクで異様な話になるところを、登場人物たちの軽快な会話の応酬が効果的に挿入され、リーダビリティ溢れるメリハリのある展開に仕上げているのがすごい。

    読み終えて時間が経つと、「奇想天外なトンデモ話だなあ…」と思いましたが、読んでる最中は夢中になれるという点が、この物語の最大の魅力だと思います。

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著者プロフィール

河合莞爾
熊本県生まれ。早稲田大学法学部卒。出版社勤務。
二〇一二年に第32回横溝正史ミステリ大賞を受賞し『デッドマン』でデビュー。他の作品に『豪球復活』(講談社)、『デビル・イン・ヘブン』『スノウ・エンジェル 』『ジャンヌ』(祥伝社)、「カンブリア」シリーズ(中央公論新社)などがある。

「2023年 『カンブリアⅢ 無化の章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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