- Amazon.co.jp ・本 (474ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041103982
感想・レビュー・書評
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本は分厚いですが、短編集です。まだ読めていないので、早く読みたいです。
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SF作家クラブ50周年記念の全編書き下ろしで、他の書き手を意識したとおぼしき作品が並んでいます。「神星伝」戦闘場面が○、アニメの序盤のよう。「黒猫…」斬頭台で切り落とされた頭部が意識を持っている場面が秀免。「楽園」う~ん。「チャナン」空手版ミニ仁。「別の世界は…」ミュータントの暴走、映画的。「草食の楽園」ハードSF宇宙ものと思いきや文明批判ものとは。「不死の市」詩的すぎてどうも。「あの懐かしい…」アイディアは買えるが…。「宇宙縫合」卑近と壮大が縫合される。大阪の描写が○。「さよならの…」ロボットが悲しい。「陰態の家」続編はあるの?
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いろんな作家が楽しめて、得した気分。
中には「面白いけど、これってSFか?」というのもあったけど。 -
こういうのは短編じゃ読み足りないんだよなあ。吉川良太郎はもっと本書いてほしい。
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第20回SF大賞、新井素子。第32回SF大賞、上田早夕里。第24回SF大賞、冲方丁。第43回星雲賞、小林泰三。第21回山本周五郎賞、今野敏。第19回SF大賞、瀬名秀明。第1回SF大賞、堀晃。第18回SF大賞、宮部みゆき。第3回SF大賞、山田正紀。第42回星雲賞、山本弘。第10回SF大賞、夢枕獏。第2回日本SF新人賞、吉川良太郎。日本のSF界を代表するメンバーによるアンソロジー。
こうしてみると、一口にSFと言ってもトンデモ設定の作品から日常に少しだけスパイスを織り交ぜた作品まで、実に様々な表現がある。でもすべてに共通しているのは、どれもがわたしたち人間の在り方を問いていること。超現実というコインの裏に思いを馳せながらコインの表を観察し、考察する。だからこそわたしはSFというジャンルが好きなのです。
SFとはあまり相性の良くない(とわたしは思っている)短篇集なので当たり外れもありますが、SF世界を楽しむには十分でした。
個人的には新井素子さんが一枚上をいっているように感じました。 -
自分には合わず読み飛ばした作品も一寸だけあったがとても楽しめた。
宮部みゆき「さよならの儀式」、新井素子「あの懐かしい蟬の声は」、山本弘「リアリストたち」は想像を大いに掻き立てられ特に好き! -
「神星伝」
冲方さんの短編。こんな小説も書く人なのね。ラノベ出身だとは聞いていたけど。血沸き肉踊るマンガみたいな話。ややこしい設定をあっという間に文章にぶち込んでしまう筆力は凄い。ファーストガンダムを1時間に圧縮した感じ。映像化したら受けるかも。
「黒猫ラセールの歴史観と意見」
フランス革命の処刑の話から始まる。話は壮大に見えるが実は妖怪人間ベムの話。
「楽園」
最近よく目につく人格コピーもの。機械に人格を与えたらそれは人なのか?精密版と簡易版があってヒヨコの形をした簡易版が可愛い。且つ実用性ありそう。SONYなら直ぐにでも作れるのでは?(人格のあるAIBO!気色悪いか?)穏やかな語り口、亡くなった人を悼む描写がいい。
「チャンナン」
軽~いタイムパラドックスもの。「アゲイン」ぐらい軽い。例えが判りにくいか。
「別の世界は可能かもしれない。」
目覚めた新人類が同じく目覚めたネズミ軍団と対決する。これだけ書くとマンガみたい?発想は新しいかも。
「草食の楽園」
宇宙SF。結構シニカル。どこかで読んだような発想。
「不死の市」
出だしが意味不明、中盤も意味不明、終盤も意味不明。
「リアリストたち」
MM9で気になっていた山本弘著。ちょっと近未来のバーチャル空間が発展途上の世界。ぴったり短編にハマる綺麗なSF。落ちもいいぞ。
「あの懐かしい蝉の声は」
第6感の新しい解釈。インターネット社会を皮肉ってる?なんだかなぁ~。ゆる~い文章は面白い。
「宇宙縫合」
設定は壮大な時間SF。どんどん時間をジャンプする間隔が縮まり遂に現在に収斂する、と言うのは「リプレイ」にもあったお約束。新今宮周辺が描かれているのが嬉しい。
「さよならの儀式」
「火の鳥」のロボットロビー(あまりにも昔に読んだので名前がよく思い出せないが)の話を思い出してしまう。現時点で小説にしたらこんな感じなのかな。しかし手塚治虫氏は偉かった。「火の鳥」は40年以上前の作品だよね。いい話だったから、凄く印象に残っている。本作品も勿論いいよ!
「陰態の家」
本アンソロジーの目玉作品と言う位置づけなんでしょうか。でもこれSF?伝奇小説だよね。わざと怪奇趣味にしてるんでしょうけど館の住人がみんなおどろおどろしい名前なのが可笑しい。赤麻呂とか青丸とかあり得へん。「館」シリーズを思い出しました。こちらの方が遥かに面白いけど。続きが読みたいと一番思った作品。
今をときめく作家さん達のSFをまとめて読めて凄くお得感あります。一押しは「楽園」かな。問題外は「不死の市」。あとはどれも平均して面白かった。時々SFアンソロジー読みたいな~。