父と私の桜尾通り商店街 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.33
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本棚登録 : 1356
感想 : 122
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041118962

感想・レビュー・書評

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  • ざわつくもののざわめきが絶え間なく聴こえる世界。
    作者3冊目なのですが、特にこの短編の集まりを次々と読み進むうちに、だんだんと定評になって来てしまいました。人々の暮らし、日常の何気ない生活に潜む段落。くるりとひっくり返ってしまう情景の描写。

    読み終わると誰もが脳内にそれを自覚しているものなのじゃないかと、思ってぞわっとするのだ。
    作者が何処へ向かうのか、どう表象するのか、ますます興味惹かれます。

  • 今村夏子さんの書く登場人物は何故いつも社会的地位が底辺で頭が少し弱く普通と少しズレている人ばかりなんだろ
    今村夏子さんの中ではそれが普通なのか
    普通ってなんだろ

    誰かの夢の話を聞かされているような話ばかり
    本当にありそうで無さそうな
    無さそうでありそうなそんなお話

    キチガイばかりでイラつくけど
    なぜか読みたくなってしまう

  • ちょっと不器用な女性たちの短編集。日常の不幸につまづいて今にも転びそうなのに、至って真面目な様子がほんのり怖い。

  • 表題作含む、6作の短編集。
    今村ワールドを凄く感じました。
    だからこそ、賛否分かれるんだろうなぁ〜とも。

    どの章の人物も、もっと言えば今村作品の人物って
    ちょっとズレてますよね。その誤差がいつの間にか大きくなっていって、時には怖く、時には可笑しく。
    日常のズレの最大化を楽しむって感じでした。


  • 間違いのない、今村夏子の本です!
    私は今村さんが大好きなので、リクエストして図書館で購入してもらった本です。
    摩訶不思議な独特の世界観、多分好き嫌いが分かれると思うのですが、ぜひ一度読んでみてください。
    「せとのママの誕生日」はププッと笑えました。
    あとがきに、毎回ハッピーエンドにしたいと思うのだが、悲しい終わり方になってしまう、とあって、意外だな〜と思いました。

    • みどりのハイソックスさん
      共感しかありません。
      せとのママの誕生日、一生忘れないほどインパクトが強いですよね。
      その話、大好きなんです。
      インタビューでも、沢山驚かさ...
      共感しかありません。
      せとのママの誕生日、一生忘れないほどインパクトが強いですよね。
      その話、大好きなんです。
      インタビューでも、沢山驚かされましたよね。
      2022/08/06
    • ははさん
      みどりのハイソックスの女さん
      いつもいいね!ありがとうございます。今回はコメントをありがとうございます。
      昔はあとがきなんて全く読まなかった...
      みどりのハイソックスの女さん
      いつもいいね!ありがとうございます。今回はコメントをありがとうございます。
      昔はあとがきなんて全く読まなかったのですが、今回は特に読んで良かった、と思いました。
      共感してくださって、とっても嬉しいです!
      2022/08/06
  • 異常な人間たちについて淡々と描いているのが癖になる
    それぞれの物語はありふれた光景からはじまるけれど、どこか不穏な空気が漂っていて、この独特なゾワゾワ感を出せる作風は唯一無二だなと思う
    気がおかしいといっても過言ではない登場人物たちが、これから何をやらかすのかと常にハラハラさせられる
    でもみんな不器用で健気でどこかいとおしくて、その生きづらさに、気づくと胸を打たれている
    この読後感が私は結構好き

  • 今村夏子さんの作品は何冊か読んでいますが、今回も可愛い表紙とは正反対の不穏な物語でした笑  

    登場する主人公は純粋で真っ直ぐに生きているんだけれども、どこかがズレている。危うささへ感じる。だけど憎めない。何なんでしょうねこの感覚は。凄いなー今村さん!どんどん引き込まれました!

  • 著者の文章は簡素なのに、どうしてこんなに引力があるんだろう。登場人物たちの無邪気でからっぽな言動にどきどきと胸騒ぎがする。それがホラーを読んでいるかのようにおもしろい。

    白いセーターの女の人のクリスマスにお好み焼きを食べに行くことをたのしみにしているシーンの素朴さが、妙にかなしくてあたたかくて胸に残った。

  • 今村さんの本には不器用でちょっとズレてる主人公が多く登場し、それを間近に見ているようで読んでいて苦しくなる、という理由で今村さんの本はちょっと苦手だな、と思っていた。
    でも実際こちらあみ子、星の子と今村さんの本を読むのも3冊目。
    苦手だなと思いながらもそんな主人公たちを読んでいてちょっと良いな、と思えてくる。
    この作品もそんな主人公たちがたくさん出てくる。
    やっぱり読み続けているとちょっとズレている主人公に心がざわつくけれど、たくさんの人の中で埋もれてしまうようなそんな主人公たちにスポットライトを当てられる今村さんの作品にまた魅せられました。
    最後の解説で今村さんのインタビューが載っていて、そこで短編作品のそれぞれの誕生秘話が書かれていてそれがまた面白い。

  • 表紙がポップな感じだしタイトルも可愛いからと手に取りましたが、最後の「父と私の〜」までの短編が気持ち悪くてかなりぐったりしました。

    登場人物がみなおかしいし、感情が誰にもない世界なのかな?と思うくらい誰にも顔がないような印象を受けました。
    ようやく辿りついた「父と私の桜尾通り商店街」がいちばんまともに読めましたが、あまり好みではなかったです。

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著者プロフィール

1980年広島県生まれ。2010年『あたらしい娘』で「太宰治賞」を受賞。『こちらあみ子』と改題し、同作と新作中短編「ピクニック」を収めた『こちらあみ子』で、11年に「三島由紀夫賞」受賞する。17年『あひる』で「河合隼雄物語賞」、『星の子』で「野間文芸新人賞」、19年『むらさきのスカートの女』で「芥川賞」を受賞する。

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